
理学療法士になりたいです。理学療法士になるための勉強は難しいのでしょうか?
これから理学療法士を目指す方も学校に入学してこれから授業が始まる方も理学療法士の勉強は難しいのか気になるところだと思います。
結論だけ言えば、大変なところもありますが別に難しくはありません。
根拠は私が留年することなく卒業し、国家試験も一発で合格しているからです。
参考までに私のスペックは、
- 医学部再受験を狙うが失敗し、32歳で理学療法士専攻の某私立大学に入学
- 毎日10時間以上勉強しても成績は上がらず、最後のセンター試験の得点率は60%ほど
高年齢に加え、記憶力が良くないのは私のスペックから分かってもらえると思います。 ここでは、大学入ってからの勉強についていけるかについてお話しさせて頂きます。 理学療法士の専門学校もしくは大学の入試については下記の記事を参考にしてください。
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目次
理学療法士になるための勉強は難しいのか?
一番大変なのは1学年目
理学療法士になるための大学は普通の大学と違い1~5限目まで授業があります。
※普通の大学は2限目や3限目で終わる曜日もある
したがって、大学に入ってから「遊ぶぞー!」と思っていても思った以上に遊べません。
といっても、サークル活動をしている人もいれば、バイトをしている人もいました。
それなりに大学生らしいことは出来ると思います。
大学の授業について詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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理学療法士の大学に入って勉強で1番大変なことは、まったく興味のない骨の名前と筋肉の名前をひたすら覚えさせられることです。 前腕の筋肉だけで、腕橈骨筋、長橈側手根伸筋、短橈側手根伸筋、回外筋、尺側手根伸筋、総指伸筋、小指伸筋、示指伸筋、長母指伸筋、短母指伸筋、長母指外転筋とありますが、これを全身の筋肉すべて暗記させられ、これにプラスして骨もあります。 まったく関連性のない意味不明の単語をお経のように暗記させられます。 私はひたすら無心となってノートに書いて覚えましたが、テストでは一定のラインを越えない限り再試が待っています。 しかも、これらは授業の単位としてあるわけではなく、「授業」+「筋肉と骨」の暗記をさせられます。 大学の試験は前期と後期に分けられていますが、一番難題の科目が解剖学と生理学です。 この2つの科目だけ再試率が高くほぼ6~7割落ちます。因みに私も落ちました。 他にも試験に落ちる科目はありますが、1~2割とそこまで高くありません。 この2つの科目さえ乗り越えれば、留年することはないでしょう。 最初に「勉強は難しくないて言ってなかった?」と疑問に思うかもしれませんが、簡単な理由がちゃんとあります。
偉大な先輩の過去問がある
私が通っていた大学には偉大な先輩が残していった過去問がありました。 したがって、記憶力さえよければ科目によっては一夜漬けでも受かる人がいるぐらいです。 しかし、過去問があっても6~7割落ちる解剖学と生理学が以下に大変か分かってもらえるでしょうか。 難しくないといったのは先輩の過去問に加え、年のいった記憶力の悪いおじさんでも受かっているからです。 ご存じの通り大学に入学する人たちは18歳の人達ばかりです。要するに一番記憶力が高く、脳が一番働く時期です。 私よりも圧倒的に有利に勉強が進むのは当たり前でしょう。 といっても、油断していると留年します。私の代では、一人留年がいました。 因みに、試験には特別試験というのがあります。再試に落ちた人でも最後のチャンスが与えられる試験です。 特別試験に1つでも落ちれば即留年ですが、先生方もあまり留年を出したくないのかよほどのことがない限り落ちません。 私の代では一人も落ちた人はいませんでした。 留年になった人は再試が6つ以上あったので留年となりました。 (※再試が6つ以上あると特別試験を受けれず問答無用で留年となる)
2学年目は勉強に慣れてきているので再試率は下がる
2学年目にも相変わらず、解剖学と生理学はあります。 それにプラスされ、内科学や神経解剖学などもあまり教科書を読みたいと思ないものが次々に増えていきます。 「難しい教科が増えればその分再試率が上がるのではないか?」と思うかもしれませんが、タイトルにあるように勉強の仕方を覚えてきているので再試率がどんどん下がっていきます。 私も自分の記憶力と相談して勉強のやり方をその都度変えていきました。 後で紹介しますが、2学年目の勉強で苦労した記憶はあまりありません。
2学年目から体験実習が始まる
一番苦労するのは体験実習です。 患者さんとコミュニケーションをすることが目的の別名コミュニケーション実習と言いますが、2週間ほど系列の病院に実習に行かされます。 何が苦労するかというと、初めての実習というだけあってかなり緊張します。 大学の病院に行くと、たまに若い実習生が立っている姿を見かけると思いますが、あんな感じです。 一人一人にバイザーといって指導してくれる先生が付きます。 先生との相性が良ければいいのですが、中には泣きながら帰ってくる子もいます。 実習の形態はラクになりましたが、それでもパワハラじみたことがあることだけは忘れないでください。
3学年目の実習は人によっては地獄
3学年目から実習時間が2週間から一か月に大幅に増やされます。 しかも、2学年目は一回だけでしたが、私の大学では3回あり、計3カ月は実習に行っていたことになります。 しかし、実習の形態は実習で自殺した人や寝不足で倒れるといったことがあったことからかなり楽になっています。 定時には帰れますし、帰った後の自己学習もA4用紙一枚分で済むようになりました。(30分ぐらいで終わります) ではタイトルの『人によっては地獄』とはどうゆう意味なのでしょうか? 答えは、バイザーとの相性が合わないと地獄を見るということです。 パワハラなどはかなり厳しくなりましたが、許容範囲内で厳しい先生方もいらっしゃいます。 人格を否定するようなことを平気で言ってくる人もいるため、メンタルが弱いと普通に病みます。 私の同期の中には、バイザーを変えてもらったり、それが無理なら1週間連続で実習を休むといった人もいたぐらいです。 実習を乗り切るコツは、『無心』です。 私はバイザーと不仲でしたが、バイザーに感情移入することなく乗り切りました。 まともに相手をすると辛いのはあなたです。 3学年目は実習の他にも学校で座学があります。 教科数が少なくなりや悪魔の解剖学や生理学がなくなるのでよほどのことがないかぎり再試になることはありません。 しかし、実技試験で落ちる人が続出します。 実技試験とは、関節を測ったり、筋力を測ったりなどをスムーズにこなせるように試験をします。 これで特別試験になることはないのですが、落ちるとやっぱりいい気分ではありません。 といっても、3学年目で一番大変なのはやはり実習です。 将来働くかもしれない職場で1日緊張感の中拘束されるわけですから、精神的にかなり疲れます。 あと、別名療法士座りという下記のような辛い座り方を一日させられます。


これの弱点は足にとてつもなく負担がかかり、かなり痛くなるところです。
このためにわざわざ靴を買い直したぐらいです。(あまり効果はありませんでしたが・・・)
座らせてくれる先生は椅子に座らせてくれますが、まず座らせてもらえないと思ってください。
4学年目は外部実習+就活+国試
最後の実習
4学年目は、2つの系列の外部の病院に一か月x2回実習に行きました。 実習は学校ごとに多かったり少なかったり実習の期間についてはあまり参考にならないと思います。 系列の外部の病院の実習は3学年目とあまり実習自体は変わりません。 緊張感はあるものの、実習にも慣れてきているのでそこまで負担ではありません。 しかし、症例検討というたくさんの先生の前で自分の患者さんの症例を発表するといったある意味拷問に近い発表があります。 大勢の前で発表する緊張感に加え、先生方から鋭い質問が沢山きます。 分からないからこちらから質問したいぐらいなのに、問答無用で質問がきます。 あの時間だけは忘れられない生きた心地がしなかった瞬間でした。
就職
4学年目は一番忙しく緊張する時期かもしれません。 実習が終わればすぐに就職活動です。 就職活動は学校によってまちまちです。 私の大学は比較的規模が大きく系列の病院も多かったため、就職活動はまともな面接はなく顔みせで終わりました。 大学の付属病院に就職したい場合はまともなしっかりとした面接があります。 系列の病院は大学からの紹介だから顔みせ面接で終わるところが多いみたいです。 しかし、大学の系列の病院は求人情報を見せてもらいないことがほとんどで給与がいくらなのか分からないまま就職となります。 したがって、向上心のある一部の学生は自分で就職活動をします。 その方が給与が高く、自分の希望にあったところに就職できるからです。 因みに系列の病院の希望は聞いてもらえず、学校から指定された場所にほぼ無理やり就職させられます。 成績が良いとある程度希望が通る形になっています。 結果的に附属病院への就職が1割、自分での就職可動が2割、残りは系列の病院で7割です。 一人だけまったく理学療法士とはまったく関係ないコンサルタントの会社に就職しました。
国試
私の大学では実習から帰ってくる9月ごろから就職活動と国試対策を同時に始めます。 ご存じの通りだと思いますが、内定をもらっても国試に落ちれば内定は取り消しで就職はできません。 高年齢で能力値の低い私でも現役で合格できていますが、なめていると落ちます。 令和3年2月21日に実施された第56回理学療法士国家試験の合格率は、全体で79.0%、新卒者のみでは86.4%だったそうです。 ※参照元:帝京平成大学 私の大学の合格率は自慢しているわけではありませんが私の世代も先輩も後輩も100%です。 といっても、泣きながら自己採点している人が何人かいて合格ラインぎりぎりの人が何人かいました。 現役生の合格率よりも浪人生の合格率の方が下がる傾向にあるので必ず一発で合格しましょう。 自分の人生を左右しかねません。 38歳の私でもなんとか現役で合格できています。 理学療法士の国家資格に合格できたおすすめ勉強方法は下記の記事を参考にしてください。
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現役生で記憶に自信がある人ならば、過去問があれば主要科目ではなければ1夜漬けでも合格できます。 しかし、こういった勉強法は知識として身に付かないばかりか再試率が高くなります。 ※再試は1科目2000円ほどかかります。ただではありません。 私の勉強法は試験の一か月前から勉強するです。 暗記量の多い主要科目から勉強し、まず過去問を完全に暗記します。 先生によってはまったく同じ問題がでることがあります。 解剖学は同じ問題がでても範囲が広すぎるため全部覚えきるのが難しいので再試率が高いのです。 したがって、主要科目を早めに勉強すれば記憶の定着率も上がり、主要科目であろうと範囲を網羅することができます。 私はこの方法で再試は2,3あったものの再試で合格し、落第することなく進級できています。 落第すれば、年140万ほどのお金がさらにかかります。 年140万円貯めることがどれだけ大変か働いていないと分かりませんが、親御さんが汗水たらして稼いでくれたお金です。 尚、奨学金はお勧めしません。理学療法士の給料で返済することがとても大変だからです。 詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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まとめ
一通り私の大学の勉強について紹介させて頂きました。 学校ごとに勉強のやり方も違うと思いますので、参考程度にしてください。 私の大学は理学療法士の国家試験で100%の合格率を出している以上勉強に関しては厳しい学校だと思っています。 また、実習に行けば「君らの学校の生徒は他の生徒よりも良くできる」とお褒めの言葉をいただけます。 要するに私の大学は勉強時間が長く、実習時間も長いということです。 そんな厳しい学校での「大学の勉強は難しいのか?」という質問の答えとなっています。 私個人の感想としては、正直勉強は辛かったです。 国試の勉強も二度としたくありません。 しかし、理学療法士になったあとの勉強はむしろ楽しいです。 なぜかというと自分の裁量でやりたいだけやりたい勉強をできるからです。 しかも、基礎ではなく技術の面での勉強が多いので、患者さんの治療効果として現れやすいところを勉強できます。 といっても、勉強しない療法士が圧倒的に多いので参考になればと下記の記事を書きました。
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