理学療法士で勉強しない人が一定数います。 「その中の一人に私がいます。」と言ってしまったら「理学療法士で勉強しない人が勉強をしたくなるコツ」の記事を書く資格がないです。 そうゆうわけではなく、1年目の半年間は理学療法士になったもののまったく勉強する気がおきず、給料分働けばいいとしか考えていませんでした。 やる気が出なかった原因は、単純に4年間の勉強を通して、リハビリの勉強が楽しくなかったからです。 学校のカリキュラムは完全に基本を教えるだけで、リハビリの醍醐味である治療手技に関してはまったく教わりません。 実習では運が良ければ、スーパー理学療法士に出会って『本当の治るリハビリ』を見ることができますが、そうでないと「リハビリなんかこんなもんか。つまんねー」となったりします。 私の場合は後者で指導者に恵まれず、リハビリの楽しみをまったく味わえませんでした。 ではどうして今は勉強するようになったのでしょうか? 理由は3つあります。
- 実際に自分でリハビリをするようになって、まったく良くならない患者をみて申し訳なくなった。
- 同期が勉強をどんどん頑張るので悔しくなった
- 良い勉強教材に出会うことができた
この中でも私の中で一番大きかったのが3番です。 なぜかというと、「患者を治してあげたい」という気持ちは熱しやすく冷めやすく一時の感情でしかありません。 何でもそうですが1番のめり込む方法は、『好きになること』です。 好きなことは何時間でも毎日でも続けられますが、好きではないことはどんだけ綺麗な言葉を並べようが続けることができません。 私は良い勉強教材に出会うことでリハビリの勉強が好きになれました。 学校の勉強は本当につまらないと再確認したぐらいです。 もしこの記事を読んでいるのが学生さんであっても、学ぶ教材を変えることで一気に楽しくなります。 では順を追って説明していきます。
目次
理学療法士で勉強しない人が勉強をしたくなるコツ 3選
効果がでないリハビリを提供することによる罪悪感がきっかけになる
新人の頃は、ただ業務を覚えることに時間を追われることになると思います。
しかし、半年も経てば業務にも慣れ、自分のリハビリと向き合う時間が増えていきます。
学校で教わったことではROMと筋トレ、動作訓練をただやみくもにするだけなので効果がでるリハビリはできません。
評価をして仮説・検証することを学校の実習である程度教わりますが、知識もないのに仮説検証もありません。
間違ってはいけないのは、多くの知識があるからこそ仮説の数が増え、さらに経験で仮説の精度も上がってくるのです。
知識がないから仮説も浮かばずやみくもにリハビリをしていると、患者さんから「ありがとう」と言われることに罪悪感が生まれてきます。
焦らなくても、半年間ぐらいで罪悪感が生まれ「勉強をしようかな」というきっかけになるはずです。
同期が勉強をしているのを見ると焦りを覚える
職場に同じ同期がいることが一番良いですが、そうでなくても学校時代の同期を会う機会を増やすべきです。
なぜなら、必ずといっていいほど、仕事の話になり、「俺今こんな患者持っているんだけど、どう思う?」と聞かれます。
勉強している友人ならば、まったく自分には分からないことを話し始めるので話についていけず焦りを覚えます。
理学療法士は良くも悪くもプライドの高い人種です。
自分の考えが絶対であり、自分の考えを否定されるだけで怒りの覚えることもしばしばです。
しかし、この焦りが自分を勉強に向かわせてくれます。
これも罪悪感と同じで熱しやすく冷めやすい感情ですが、勉強を始めようと思うきっかけにはなるでしょう。
オンラインセミナー動画が充実している
私が最初に紹介した一番おススメしたい良い勉強教材というのがリハデミーのオンラインセミナー動画です。 私が勉強を好きになれたきっかけは、リハデミーのオンラインセミナー動画の石井慎一郎先生の講座です。 石井慎一郎先生は動作分析の白本として学生の中でも有名な先生です。 白本を読んだだけでは分かりにくい部分が多かったですが、セミナー動画をみることで実際に行っている手技を見ることができます。 石井慎一郎先生の素晴らしいところは、動作分析の理論が力学的に分かりやすく解説しており、比較的簡単に手技もマネすることができるところです。 新人の理学療法士の方には、「何から勉強していいのか分からない」という人が多いと思いますが、石井慎一郎先生の動画を見て、一通りリハビリの基礎を学ぶのが良いと思います。 私は石井慎一郎先生の動画のおかげでリハビリに自信を持つことができるようになりました。
理学療法士で勉強しない人への処方箋
勉強しても給料が上がらないからしたくない
私も一時期この状態でした。 新米の理学療法士でも20年目のベテランの理学療法士でもリハビリ単価は変わりません。 リハビリの単価が上がらないということは、経営側の目線でいえば、昇給させる余地がないということになります。 これは周知の事実で、このせいでモチベーションが上がらない理学療法士が多いのが現状です。 認定理学療法士という理学療法士協会の資格がありますが、私が見てきた求人情報では資格を持っているからといって、手当がつくといった記載はありませんでした。 完全に自己満足の資格であり、資格を取ったからといって潤うのは資格をビジネスとしている協会だけです。 給料を上げたいならば、転職するのが1番の手ですが、今の職場が居心地が良ければ躊躇してしまいます。 手っ取り早く勉強を収入につなげるならば、副業が1番良い方法です。 私はリスクが少なく時間の合間にできるブログを選択しました。 他にもnoteなのでリハビリの知識を有料コンテンツとして販売している人もいらっしゃいます。 勉強したことを自分なりにまとめ、ブログやnoteで発信していけば時間はかかりますが、昇給を待つよりは収入を増やすことができます。 私のブログは8カ月目ですが現在は月8000円ほどの収益があります。 他にもYoutubeなどで発信している方もいらっしゃいます。自分に合った発信方法を選んでみてください。 私はブログだけなので、ブログの発信方法しかお伝え出来ませんが下記の記事を参考にしてみてください。
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リハビリの勉強がつまらない
そもそもリハビリの勉強がつまらないと思う方は、何をしてもムダでしょう。 上で紹介したオンラインセミナー動画やセミナーに参加してみて、それでもつまらないと感じるならば、そもそも理学療法士に合っていないのです。 私の同期に在学中に理学療法士にはならずに、コンサルタントの会社に就職した人がいます。 コンサルタントの会社は多様な人材を求めているので、彼は医療系の知識を武器に面接を受け受かっています。 大卒という肩書きされあれば、どこの会社にも応募できるはずです。 転職としても1度チャレンジしてみてはどうでしょうか?
勉強したところで患者さんが良くならない
私は老人保健施設でリハビリしているので、ほぼ9割が80歳以上です。 80歳を越えるとリハビリをしても効果が薄く、回復できる人はほんのごく僅か(1割ほど)です。 そういった方ばかり相手にしているとモチベーションがどうしても下がります。 勉強すればするほど、治せる可能性が高まるのは確かですが勉強に対する時間帯効果が小さく、勉強しても意味がないという結論になりかねません。 リハビリをしていると陥りやすい間違いが、リハビリは機能回復だけを目的にしてないことです。 真のリハビリテーションは、 身体機能の低下によって下がった幸福度(QOL)を機能回復やほかの手段で元に戻すことを指します。 大切なのは、担当している患者さんにとって幸福(QOL)は何かということです。 絵を描くことが好きな患者に必要なことは歩くことではありません。長時間座る能力と上肢の機能です。 私たちは日常生活動作だけに目がいきやすいですが、大事なのは患者さんの希望です。
勉強した方が仕事は楽しくなる
勉強しなければ、毎日同じ訓練になってしまうので患者さんも治らずただ毎日がマンネリ化します。 変化がない日常よりつまらないことはありません。 勉強することで仮説検証の精度が上がっていき、少しずつ患者さんが良くなっていく姿を見ていると、「もっと良くしたい!」という欲求が生まれてきます。 これがいわゆる仕事が楽しいという状態ですが、少しでも結果をだそうと思うとそれなりに時間がかかります。 私の場合は毎日2時間勉強して2年ほどでやっと少しは効果がでてきました。 勉強の成果なんてそんなもんです。 勉強しても収入が増えるわけでもない、毎日勉強を続けても効果が出るのはほんの少しと聞けば、本当に勉強なんて割に合いません。 それでも、患者さんが元気になっていく姿をみると、「まぁしょうがないか」という気分になるから不思議なモノです。
まとめ
理学療法士になったのに関わらず勉強していない理学療法士は結構多いです。 私の前の職場では、上司、先輩、後輩みんな勉強していませんでした。 勉強してもしていなくても給料が変わらないのならば、勉強の時間を他の時間にあてた方が人生が有意義になるというのにも納得です。 中学、高校でも一定数は勉強しないもしくはできない人達のことを考えれば、理学療法士の中にも勉強しない人がいるのは当然のように思います。 勉強を強制したくてこの記事を書いたわけではなく、「勉強した方が仕事は楽しい」ということを伝えたかったのです。 私は別に毎日寝る間を惜しんで勉強しているわけではありません。 学校の勉強ではないのですから、気ままに勉強して飽きたり気分が乗らなかったらすぐやめます。 それぐらいの勉強で十分なんです。 たとえ理学療法士という仕事が自分に合わなかったとしても簡単に進路を変更することはできません。 そうなれば、「一生理学療法士でやっていく覚悟」というよりは「理学療法士でやっていくしかないという諦め」が必要です。 勉強をすることで少しでも理学療法士という仕事が好きになれることを切に願います。 一度理学療法士のやりがいについて考えてみるといいかもしれませんね。
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