理学療法士にとって楽な職場とはどこか?人間らしい生活をするために

理学療法士にとって楽な職場とはどこか?人間らしい生活をするために
『理学療法士 楽な職場』で検索されるということは、理学療法士の中の一定数は楽なところで働きたいと思っている人がいるのでしょう。

私も同じ考えの人間です。

リハビリという仕事はどうしても体力仕事なため、若いうちはいいでしょうが、歳を取れば取るほど段々とリハビリをこなすことが難しくなってきます。

職場によっては、リハビリの単位数が21単位すなわち7時間ずっとリハビリし続けなければいけないところもあります。

理学療法士にはどうしても書類業務もあるため、7時間もリハビリに費やせばほぼ残業になるのは間違いないでしょう。

私が求めているのは人間らしい生活です。

8時間だけきっちり働き、休むときにはしっかり休み、精神的な余裕があり、仲間にも恵まれている。

したがって、残業が多い、休日が少ない、仕事が忙しい、リハビリの単位数が多い、人間関係がねちっこい職場は私の中では職場選びとしては圏外です。

忙しい職場というのは『忙』という漢字にあるように心を亡くします。

病院には実習で5つ回りましたが、どこも忙しく残業が当たり前のようにありました。

私は現在老人保健施設に勤めています。

贔屓するわけではありませんが、理学療法士にとって楽な職場は『老人保健施設』も候補に入ると思っています。

理由としては怠惰な私ですら老人保健施設の仕事は楽だと思うからです。

病院以外にも理学療法士の職場にはデイケアや放課後デイサービス、訪問リハ、介護医療院など色々ありますが、経験したことがないので分かりません。

逆に私は老人保健施設には2つの職場で勤務した経験があります。

だからこそ、老人保健施設は楽だと言い切れるのです。

理学療法士にとって楽な職場とはどうゆうところなのか順を追って解説していきたいと思います。

※新人理学療法士にお勧めの本をご紹介しています。勉強に悩まれている方はぜひ参考にしてみてください。
目次

理学療法士にとって楽な職場はどこ?

理学療法士にとって楽な職場その① 残業がない

残業がなく定時で帰れる女性
楽な職場の条件の1つに、まず最初に上がってくるのが残業がないことだと思います。

私は2つの老人保健施設に勤務しましたが、基本的にはどちらも残業がありません。

基本的にはと言いましたが、最初の在宅強化型の老健のときには諸事情によりリハビリスタッフがいきなり二人も減ったので残業がやむなくあることがありました。

その分、他のリハビリスタッフが仕事を賄う必要があるため、新しいリハビリスタッフが補充されるまで残業が続きました。

現在、私が勤めている老人保健施設は基本型で、個別リハビリ週1回集団リハビリ週1回あり、短期集中リハビリは週3回あります。

定員70人の老健でリハビリスタッフが私を含め2人在籍しています。

1人あたり担当は35人です。これは普通ならば多い人数で1日のリハビリの単位数が一気に増えそうですが、そんなことはありません。

なぜなら、集団リハビリで一気にたくさんの人数をリハビリできるからです。

また、基本型の個別リハビリは強化型以上である1単位20分以上という時間のしばりがなく、自分の裁量でリハビリの時間を決めることができます。

したがって、1日の単位数は10~12単位ほどで人によっては5分や10分ほどでリハビリを終えることができ、病院に勤めていた方ならこれがどれだけ少ないか分かるでしょう。

これが老健が残業がない理由です。

因みに私の友人は病院に勤めていますが1日21単位あり時間に換算すると7時間リハビリをしているそうです。

書類業務の時間が1時間もないというのは、明らかに残業ありきの職場であることが良く分かります。

友人は、平均して30分~60分は残業していると言っていました。


在宅強化型以上ではもしかすると残業がある場合もあります。

本来ならば週3回個別リハビリを20分以上しなければいけないので、集団リハビリで代替することはできません。

そのかわりPTOTの数が凄まじく多いです。

私の現在の職場は基本型なため2人ですが、在宅強化型は8人PTOTが在籍していました。

リハビリの単位数を考えれば当たり前ですが、単位数が増えても施設は人数を増やすので比較的楽にリハビリを行うことができますが、人数が少ないとリハビリの単位数が増えるので残業がある場合も考えられます。

しかし、基本型の老健と在宅強化型の老健を比べれば、先ほどご説明した通り基本型の方がリハビリ時間を調整できる分楽できます。
※在宅強化型以上は一回20分以上と決まっているが、加算型以下は時間の指定はない

結論として、老人保健施設に勤めるならば加算型以下の老人保健施設ならば間違いなく残業がなく楽に仕事ができると思います。
※加算型は基本型と同じで個別1集団1のリハビリでよい。
ゆったりねこ

残業がないってしあわへだなぁ~

理学療法士にとって楽な職場その② 1日の仕事量が少ない

仕事量が少ない理学療法士
老健でのリハビリ以外の仕事は、リハビリ計画書、リハビリ予定表づくり、カンファレンス、入所対応、委員会、訪問指導、LIFE提出ぐらいでしょうか。

人の能力によりますが、1日2時間リハビリ以外の時間があれば、できる仕事量です。

そうなると、リハビリの単位数で仕事量が決まる言っても過言ではありません。

先ほど説明した通り、加算型以下ならば個別を週1回集団を週1回(個別週2回でもよい)と決まっているので、集団の数を増やせば増やすほど、リハビリの単位数を減らすことができます。

リハビリは体力仕事ですが、リハビリの単位数が調節できるのは療法士にとっては有難いです。

1人職場であれば絶望的に大変ですが、二人以上ならば比較的楽にできると思います。

しかし、老健にはデイケアを併設している施設もあるので、二人いるからと言って全員が入所者対応かどうか分かりません。

面接時にリハビリの1日の単位数はどれぐらいなのか聞くのが良いでしょう。

理学療法士にとって楽な職場その③ 人間関係が良好

人間関係が良好な理学療法士の3人組
人間関係に関しては入職してみないと分からないというのが、私なりの意見です。

前の職場では8人体制で人間関係にストレスが溜まりましたが、今はリハビリ助手を含めリハビリスタッフは私を含め3人しかいないのでそれほどストレスがかかりません。

個人的には人が増えれば増えるほど、ストレスが溜まりやすいと思います。

私が一度転職した理由も、人間関係が悪化したことが原因でした。

それぐらい人間関係というのは職場が楽かどうかに影響されます。
人間関係とトラブルを起こしやすい人は、一人職場かリハビリスタッフが少ない職場がおススメです。

3カ月ほど介護医療院でお世話になったことがありますが、一人職場で私にとってはとても快適でした。

結局は、寝たきりの人相手のリハビリに嫌気がさして辞めてしまいましたが、人によっては楽に仕事ができると思います。

理学療法士にとって楽な職場その④ 年間休日が多い

ソファーに座ってコーヒーを飲む女性
理学療法士の業界は、びっくりするぐらい年間休日が少ないです。

私が見てきた求人では105~110日が一番多く、120日以上はめったにありません。

つまりは週休二日制で他は全く休みがないわけです。

あまり休みについて考えない人が多いですが、給料が高いように見えても年間休日が少なければ時給は下がります。

年間休日が少ないのは老健でも同じで、病院や老健、訪問リハビリという仕事内容で決まるというよりは会社ごとの方針で決まるが正解です。

当然、年間休日が少なければ楽な職場とはいえないでしょう。

私が勤めた老人保健施設は2つとも年間休日が多く、楽な職場でした。

しかし、それは私が求人票で年間休日が多いところを選んだだけで、老人保健施設が年間休日が多いわけではありません。
ちょこ~んねこ

休み…ほしい・・・

理学療法士にとって楽な職場その⑤ 休憩時間がある

休みながら談笑している理学療法士達
働く上で心のゆとりを作るには休憩時間や談笑の時間が必要です。

お昼休憩は普通ならば1時間ありますが、最初の老人保健施設では集団リハビリの準備でほぼ休憩時間がありませんでした。

スキマ時間の休憩時間は病院は全くと言っていいほどなく、先生方が談笑を始めるのは業務終了後ぐらいでした。

スキマ時間の休憩タイムは職場の雰囲気によって違うと想像できます。

今の職場も前の職場も良くも悪くも上司があまり仕事をしたくない人なので、スキマ時間の休憩時間がたくさんあります。

今の職場は朝にドリップコーヒーを作り、お菓子タイムがあるぐらいゆとりのある職場です。

私の感覚では職場の規模が大きいほど、体制がしっかりしているので隙間時間の休憩時間がなく、規模が小さいほどあまり儲けようと思っていないので、のんびりしている印象です。

大学病院は、走ってリハビリをしなければいけないほど1日のリハビリの単位数が多く、例外なくすべての先生の顔にゆとりがありませんでした。

本当にびっくりするぐらい環境によって人は変わります。

理学療法士にとって楽な職場その⑥ 勉強会がない

勉強会がなくて嬉しい理学療法士達
勉強会に関しては、明らかにリハビリスタッフの人数で左右されます。

リハビリスタッフが多い=施設規模が大きいので体制がしっかりしている分、新人の教育にも熱心です。

私が最初に働いた老健はリハビリスタッフが多かったので、新人教育という名目で何度も勉強会や症例検討をさせられました。

業務の合間か残業もしくは休日を利用してやる必要があるので、かなりの手間です。

今の職場は2人しかいなく、上司もわざわざ仕事の手間が増える勉強会をやろうなんて言い出しませんし、仲が良いので拒否しても小言を言われることもありません。

したがって、人数が少ない職場に行くのが一番良いでしょうが、ぎりぎりの人数で仕事を回しているところもあるのでブラック企業かどうかの判断は必要になります。
頑張る猫

勉強会がないって最高だあああ!!!

理学療法士にとって楽な職場その⑦ 規模が小さい

高齢者と会話する女性スタッフ
大きな病院ほど働いている人の数が多くなるため、名前を覚えるのも大変で気を遣う頻度が多くなるため、ストレスが多くなります。

カンファレスの規模も大きく多職種とかなりしっかりした会議をしなければいけません。

バイザーについて何度か出席したことがありますが、大きな病院ほどカンファレスの精度も高いためか、あの独特の緊張感は何度体験しても慣れませんでした。

逆にクリニックや施設など小さな職場ほど、話す人が限られてくるため名前も職員の特徴も把握しやすく、ストレスは少なくなります。

もちろん狭い集団なので、一度不評がでると村八分になるリスクはあります。

私の老健のカンファレスは規模も小さいこともあって、世間話のような会議になります。

かなり気楽に自分が思ったことを話せます。

大勢とのコミュニケーションが苦手な方や、気楽に働きたい方はある程度緩くても許される小さい職場の方が楽できるでしょう。

理学療法士にとって楽な職場その⑧ ある程度自由がきく

折り紙でレクリエーションする理学療法士と高齢者の女性
職場によっては雰囲気がかたいところがあったり、軽いところがあったりとまちまちです。

ほぼ上司の人柄により決まり、上司が真面目だと重苦しい職場になったりや上司が能天気だとある程度気ままにやっても許されるところもあります。

また、規模が大きい職場ほど組織としての形がしっかりとしているので、半端なことは許されない雰囲気があります。

他にも職場自体が緩かったり、他の職員も自由気ままにやってるところだとある程度好き勝手にふるまうことができます。

自分がやりたいリハビリを自分なりに考えてできるので、私は今の職場を気に入っています。

患者さんのQOLを考えた場合、リハビリ+αがどうしても必要になります。

患者さんに入れ込みすぎるのもよくありませんが、入れ込みすぎなさすぎるのもよくありません。

マニュアルどおりのリハビリでどうやって個別に対応していったらいいのでしょうか。

私は一人一人患者さんの声に耳を傾け、その人に合ったリハビリにその都度変えていっています。

かたい雰囲気の職場だと型どおりのリハビリしかできませんが、軽い雰囲気の職場なら自分の自由裁量ですることができます。

自分のやりたいリハビリを自分のやりたいだけできる職場ほど楽に働ける職場はありません。

理学療法士にとって楽な職場を探すための求人のポイント

年中求人がある会社は避ける

仕事探しのイメージ
転職活動をすると年中求人情報が載っている会社があります。

あとで噂を聞くと、タイムカードを勝手にきられる、業務後に勉強会があるなど悪い噂ばかりです。

年中求人が載っている会社は人が辞める傾向にあるから年中求人が載っているわけなので、ブラック企業の可能性が高いです。

極力そういった会社は避けましょう。

残業時間をみる

残業で疲れ切った女性
当たり前ですが残業時間は必ず見ましょう。

残業時間は10時間の場合は20日勤務するとして、1日30分の残業ある計算になります。

残業時間は会社によって誤魔化しているところもあるので、入ってみないと分からないところあります。

面接時に必ずどれぐらい残業時間があるのか聞くようにしましょう。

「聞いたら印象が悪いのでは?」と思うかもしれませんが、「あとで求人の情報と違う!」と文句を言うよりはマシです。

転職活動は受け身だと、会社側の言い分で働かされます。

私は年間休日だけはこだわりたかったので、食い下がることなく条件を提示しました。

負けてはいけません。

年間休日をみる

求人情報のイメージ
年間休日120日以上は探せば必ずあります。

といっても、給料が高い、残業がない、年間休日が多いといった条件で探して行くとまず就職できません。

どこかで妥協は必要です。

私の場合は給料にこだわらず、実家から通える範囲で年間休日が多く、残業がないところで選びました。

給料と仕事のラクさはトレードオフです。

仕事が楽な職場で探すならば、給料は諦めましょう。

それでも、リハビリ業界はもともと給料が低く設定してあるのでどこもどんぐりの背比べだと思います。

仕事内容でみる

デイケアで運動するシニアと理学療法士
先ほど説明した通り、病院ほど仕事が大変です。

おススメは繰り返しになりますが、加算型以下の老人保健施設です。

ただ、リハビリの仕事内容で見た場合、老人保健施設は生活期つまりは維持期に相当します。

週1回20分間の個別リハビリ週1回20分間の集団リハビリでは、回復どころか維持も難しいです。

短期集中リハビリがありますが、それでも回復期と違い毎日リハビリはできますが、できる時間はたったの20分間です。

リハビリのやりがいはやはり『患者さんがリハビリをして回復していく姿を見ること』だと私は思っています。

したがって、理学療法士としてのやりがいを考えた場合、病院の方がやりがいは大きいのではないかと思っています。

だからといって、老人保健施設にやりがいがないわけではありません。

詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

見学に行く

スマホを持つビジネスマン
面接に行く前に一度職場の雰囲気をみるために見学に行ってみることをお勧めします。

どういったリハビリをしているのかでその職場のレベルがある程度分かるのではないでしょうか?

職場にいる先生方の話を聞けば、その職場が目標としているところが分かるはずです。

短時間で職場のすべてが分かるわけではありませんが、直観でここの職場で働きたい働きたくないが分かると思います。

職員の顔や仕事ぶり、施設の飾りつけ、清潔度、利用者さんへの介護などパッと見るだけでも分かる情報はたくさんあります。

私としては職員の笑顔が見られる職場は良い職場だと思っています。

ぜひ見学して自分なりに判断してみてください。

非常勤で働いてみる

ボール体操する高齢者女性と理学療法士
職場選びに絶対失敗したくない方は、本職の仕事があるうちに非常勤で働いてみてはどうでしょうか?

私の友達は病院勤務をしながら、他の場所のデイケアでアルバイトをしています。

老健の仕事をしながら、整形で働いている友達もいました。

職場の人間関係や仕事の緩さ、勤務時間など直接感じてみないと分からないことが多いです。

職場見学させてもらえるところは多いですが、誰もが表面上は繕うので実際に人間関係が良好なのかは分かりません。

求人を見ていると、正社員で募集しているところは大体非常勤でも募集しています。

非常勤から働いて正社員になれるのか分からないところですが、面接するときにしっかりとその旨を伝えましょう。

仕事に楽さを求めすぎると飽きが来る

仕事のやる気が出ないビジネスウーマン
仕事が忙しすぎるのも自分の心と体を疲れ果てさせることになりますが、仕事が楽すぎるのも成長が感じられず苦痛に感じてしまうことがあります。

あくまで私の体験談ですが、人間関係が原因で職場を辞めて転職活動を終えた時には心も体も疲弊しきっていまいた。

ラクな職場は私の心と体を癒すのに大いに良かったと言い切れます。

しかし、1年も過ぎれば十分すぎるほどに心も体も回復していくので、楽な職場では物足りなくなってきます。

贅沢な悩みなのかもしれませんが、人はある程度仕事の負荷がかかり、成長できる職場のの方がやりがいも生まれると実感しています。

仕事が楽すぎるまま、毎日を過ごしていくと段々と無気力になっていきます。

何もやる気が起きず、同じルーティーンワークをひたすらこなす毎日。

仕事が楽しくないことが苦痛と思う状態まで行く可能性もあります。

人はある程度負荷をかけて、成長を感じる必要性があると思っています。

現在仕事で楽しくないと感じている方は下記の記事を参考にしてみてください。

結論:理学療法士にとって楽な職場とはどこか?

トレーニングする高齢者女性と理学療法士
私の知っている情報の範囲では、理学療法士にとって楽な職場は加算型以下の老人保健施設です。

これまでに何度も話してきましたが、私の働いている基本型の老人保健施設はリハビリスタッフが二人しかいませんが70床しかなく、デイケアも中止しているので入所者をリハビリするのみなので仕事内容は楽です。

短期集中リハビリは週3回だけで、1日のリハビリの単位数は10~12ぐらいです。

さらに、介護ソフトが入っているのでデスクワーク業務もほとんどすぐ終わります。

もちろん、楽をするために業務の効率化は同僚と話し合って常日頃からしています。

そのおかげか、残業もなく、ティータイムを取るぐらいの余裕があります。(もちろん仕事はきちんとしています)

年間休日も土日祝休みで、年末年始も休みをいただけます。これだけで年間休日120日以上あります。

給料はそこまで高くありませんが(手取りで20万ほどです)、仕事としてはとても満足しています。

すべてが同じような職場だと限りませんが、前の職場も定時で帰ることができ、デイケアもありましたが、人数がいたので仕事は比較的楽でした。

病院でバリバリ仕事をしてきた人も、40代にもなれば体力が一気におちます。

それならば介護業界の仕事が楽な職場に転職するのも一つの選択肢です。

病院の病院のやりがい、介護施設なら介護施設のやりがいがきっと見つかります。

あたなにあった職場を探してみてください。

私の転職活動は下記の記事を参考にしてください。
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