フリーターはなぜ就職しないのか?フリーター歴11年の猛者が語る

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フリーターはなぜ就職しないのか?フリーター歴11年の猛者が語る
悩みねこ

どうしてフリーターの人は就職しないのですか?

私は大学中退後何もしたいことが見つからず、22歳から33歳まで11年間フリーターをしていました。

37歳でなんとか初就職をはたし、42歳の現在は理学療法士という医療職でなんとか正社員として働いています。

11年間のフリーター生活で、就職しようと思わなかったわけではなく、就職しようとしてもできなかったが正確には正しいです。

フリーターというレッテルは世間体は決して良くはなく、いい年をしてフリーターをしていると無職と同じように犯罪者予備軍のような目でみられます。

そんな世間の目から逃れるために、フリーターをなんとか抜け出し、まっとうな道を歩みたいと思うのは誰でも一緒だと思われます。

それでもフリーターを続けるにはそれなりの理由があるのです。

11年間のフリーター生活は、20代前半は自由があるので楽しい反面、20代後半は毎日が不安と焦燥感で苦しかったというのが本音です。
20代後半ともなれば、就職しにくくなることは誰でもなんとなく分かることでしょうが、それ以外の理由でもフリーターは就職できなくなってしまいます。

ここでは『フリーターがなぜ就職できないのか』その理由について私の心境と経験とともにお話しできたらと思います。
目次

『フリーターはなぜ就職しないのか』その理由について

やりたい仕事が見つからない

やりたい仕事が見つからず困っている20代男性
私が大学を中退した理由はそもそも「やりたいことが見つからない」からでした。

パソコンが好きで某大学の情報通信工学科に入学したものの、楽しみにしていたプログラミングの授業が思った以上につまらなくて自分がやりたいことが分からなくなってしまいました。

そんな状態では勉強に身が入るわけがなく、留年を繰り返し、結局は大学を中退するという最悪の形をとってしまいました。

在学中にやりたいことが見つからなければ当然ながらフリーター生活でやりたいことが見つかるわけがありません。

そもそもこの時点で職を選べる立場ではないのは重々承知ですが、それでも何もやる気が起きず、大学中退後はぐーたらと毎日ゲームとバイトで過ごしていました。

やりたいことが見つからない場合、大体の人はお金のあまりかからないゲームに逃げたくなりますが、ゲームは人生を破滅に導くので、本当にお勧めしません。
何をすればやりたいことが見つかり、就職できたかどうかは、いまだに分かりませんが、人生はきっかけがなければ永遠と歯車が回りださない事だけは確かのようです・・・。

20代前半は楽観的である

橋の上でガッポーズする男性
ほとんどの大学生は親の庇護下にいるのが当たり前だと思います。

いつになったら親元から離れて経済的に自立をはたすと言われれば、当然社会人となり一人暮らしを始めた時からではないでしょうか。

ということは、20代でずるずると実家暮らしを続けているフリーターの場合、永遠に親の庇護下にいることになります。

住む家もある、食費もかからない、お小遣いはバイトをして稼げばいいとなると、当然考え方が楽観的というか幼稚になっていきます。

就職しなくても生活は保護されているわけですから、わざわざ苦労してまで就職しようという発想に至りません。

特に20代前半は「なんとかなるだろう」と思える時期であるため、20代前半で焦っているフリーターはほぼいないのではないでしょうか。

私自身も20代前半はフリーターという自由の身であり、時間に縛られない、寝放題、ゲームやりたい放題でむしろ充実した毎日を送っていました。

親から小言を言われることもありましたが、「資格を取って就職するから任せといて」と適当なことを言っていました。

20代前半と言うのは楽観的であり、「フリーターの何が悪い!」と声を大にして言える無敵の時期でもあります。

就職活動をしても、就職できない

オフィスで面接する男女のビジネスパーソン
大学在学中に就職活動をしても内定をもらえないことの方が多いと思いますが、フリーターの身での就職活動は歳を重ねれば重ねるほど不利になります。

私自身も26歳から重い腰を上げて就職活動を頑張ってみましたが、面接でボロクソ言われるだけでどんどん自信をなくしていきました。

「どうして大学中退したの?」「今まで何してきたの?」「もっとはっきりと志望動機を言えないの?」と聞かれたくないことをズバズバと聞かれます。

圧迫面接に耐えられるメンタルがあればいいですが、フリーターはただでさえ自信がなく、面接を受けるたびに自分への自己評価がさらに低下していきます。

面接で自分への自己評価が下がる⇒しばらく心を回復させる⇒面接で自分への自己評価がさらに下がる・・・と悪循環で段々と就職活動をすることが億劫になっていきました。

フリーターの身で良いと思ってる人はごくわずかで、大体のフリーターは就職活動はしているけれども、中々内定をもらえないのが現実だと思います。

歳を取れば取るほど臆病になる

ブランコで一人佇む臆病な男性
フリーターは何年続けたとしてもスキルが溜まる仕事ではありません。

つまりは、何の専門家でもないのでこれだけは自分の強みと言えるものがありません。

単純作業ならば何でもできるでしょうが、知的な仕事になればなるほど自分が何もできないことが分かっているので自分への自己評価はかなり低いです。

自己評価は歳を取れば取るほど下がり続け、段々と行動することに対して臆病になっていきます。

普通ならば歳を取ればできることが増えていきますが、フリーターは歳を取ることにできることが少なくなっていきます。

したがって、就職したいという気持ちと行動を起こすだけの勇気がなければ、そもそも面接を受けようとする気さえ湧きません。

行動しなければ就職できませんし、臆病になれば行動できなくなります。

フリーターは成功体験よりも失敗体験を積んで、自己肯定感が下がりやすいので、就職できない状態が出来上がっていきます。

これは私自身が体験したことですが、ほとんどのフリーターの方が就職しないのは同じ理由だと思っています。

人と接するのが怖い

座り込み顔を伏せる女性
圧迫面接を受け、自己評価が下がり、年齢を重ねるごとにさらに自己評価が下がることで段々と外出することが億劫になっていきます。

慣れ親しんだバイト先ならば環境の変化がないので、問題なく続けることができますが、新しい環境が苦手になってしまい、新しく人間関係を構築させようという気力すら沸きません。

この段階までくると、知らない人と会話するだけで緊張するようになり、段々と逃げるように部屋に引きこもるようになります。

知らない人と接することが怖いため、面接を受けるという段階ではなくなります。

対人恐怖症をなくさなければ、就職どころではないのですが、対人恐怖症を直す勇気すら沸いてきません。

こうやってフリーターどころか引きこもりや無職が誕生していきます。

フリーターが就職しないのは本人が悪いことは重々承知していますが、社会のフリーターに対する扱いが辛辣なのも一つの原因ではあります。

ここまでくると本当に抜け出せないトンネルにいるようにどうにもならなくなります。

国が本気で無職や引きこもりをなんとかしたいと思っているのならば、家まで赴き、本人ができる範囲の仕事をたとえ1時間でもいいので与えて、少しずつ自信を回復させていくしかないと思います。

それぐらいしないと対話すらままならなくなります。

一発逆転を狙おうとする

一発逆転のイメージ
フリーター生活が長くなると、周りに比べて自分が劣ってしまうのでコンプレックスを抱くようになってしまいます。

周りの友人は普通に就職し結婚しているのに、いつまでたっても単純作業で、スキルが溜まるわけでもなければ、時給が上がるわけでもないフリーター生活を続けていれば自分を卑下して当然でしょう。

そうなると「一発逆転して、周りの奴らを見返したい。」と思うようになり、「起業してやる!」「弁護士になってやる!」や私のように「医者になってやる!」と夢見がちなことを思い描くようになります。

自分の心を保つために、「自分にはしかるべき理由があって就職しないのだ」「夢を追っている自分の方が社畜のお前らより凄いんだ」と自分に言い訳するようになり、見当違いなことを考え始めます。

就職しようにも就職できず、不安と焦りに苛まれる毎日で歳だけどんどん積み重なり気付いたら30代となると、もう人生の詰みになってしまうのです。

私自身は医学部再受験に5年間費やしましたが、失敗しました。
結局、まともに就職活動しても就職できないので前に進んでいるという実感が欲しかったのだと思います。

どうしようもならないからどうにかしたい、そんな気持ちで夢を描き、就職しない人が多いと思われます。

職業を選ぶ権利なんてないのに職業を選びたがる

3Kのイメージ
フリーターに職業を選ぶ権利なんてありませんが、職業を選びたがります。

3Kとは「きつい」「汚い」「危険」の頭文字をとって作られた略語ですが、3kとよばれる人がしたがらない仕事しかフリーターには職業の選択肢しかないのが現状です。

しかし、フリーター自身が甘えられて育っているせいか、「俺には相応しくない」「きつい仕事なんて嫌だ」「他人の便の処理なんてカンベン」と言い、そういった仕事をしたがりません。

実際に建築業界や介護業界は人手不足で人材が足りていないのでフリーターであっても比較的就職しやすい職種ではありますが、3Kと呼ばれる仕事なのでフリーターすら忌避します。

職業を選ぶ権利なんてないのに職業を選びたがることが、フリーターはいつまでたっても就職できない原因の一つです。

私自身も就職活動をしたところは、流行りのIT関連ばかりで3kと呼ばれる職種には応募すらしたことがありません。

最終的には先ほどお話ししたように医学部再受験と結局フリーターであろうとプライドが高いのです。

身の丈が分かっていないことがフリーターの就職を遠ざけている原因の一つです。

親が働いている

会話をする作業服を着た笑顔のミドル男性達
フリーターは親が働いていると、まだ家には収入があり、なんとか自分を養っていくだけのお金があると思いがちです。

フリーターは20代が多いと思いますが、大体その頃は親自身も50代ぐらいで一番年収が高い時期であり、お金に余裕があるので、頭ごなしに子供のフリーター生活を否定したりしません。

私自身の親も「仕方ない」といった雰囲気でほとんど何も言われませんでした。

そのうち就職して、社会人と働いてくれると思ったのでしょう。

実際には1年のフリーター生活が2年、3年と伸びていき、気づいたときには10年と言うこともあり得ます。

本人も親も焦りだすのがアラサーの呼ばれる年齢になる頃です。

いつまでたっても就職しない、自分たちも年金暮らしになるからいつまでも子供を養っていけないとなると、急に怒ったように口に出して言うようになってきます。

本人はこれまで述べてきた理由で就職できませんから、親も焦りだし、最終的には8050問題へと繋がっていきます。

本人も親も気付いたころには手遅れなのですが、親にまだ余裕がある場合、私のように就職するために医療系の学校へ行って資格を取るという方法があります。

お金を払わなくてもいい実家がある

フリーターで実家ぐらしを続ける男性
一人暮らしで何に一番お金がかかるかと聞かれれば、迷わず誰もが家賃と答えるでしょう。

住む場所の質にこだわらなければいくらでも安くできますが、最低でも3万円はかかります。

それなりに良いところに住もうと思えば5万円以上かかりますし、都会となれば7,8万円は必要になるでしょう。

実家に住んでいれば家賃は0円になり、親が何も言わなければ光熱費すらタダの場合が多いです。

要するにそんなに働かなくても最低限の衣食住は保障されているわけですから、わざわざ就職を選びません。

遊ぶお金を稼ぐだけならば月5万円ほど働けば十分ですし、それで自由が手に入るのならば最高の身分といえます。

人というものは自分の身に危機を感じないと行動に起こせないもので、安全を保障されてしまうと余計に殻に閉じこもってしまいます。

40代でせっかくの正社員がクビになり無職生活になってしまったときは、不安で慌てて転職活動をしました。

親としては子供のことを心配するのは当たり前ですし、お金がないなら実家に住ませてあげたいと思うものですが、それが余計にわが子の将来を奪っていると思った方がいいと思われます。

フリーターを就職させる一番の近道は、自分の世話は自分でさせることだと言えるでしょう。

病人のように扱われる

無気力な20代フリーター男性
フリーターは歳を重ねれば重ねるほど、周りからは病人のように扱われるようになっていきます。

普通の大人ならば、まともに就職活動をして就職しますが、フリーターはいつまでたっても現状に甘えフリーターのままです。

そうなれば、どこかおかしく精神的な病を患っていると思われやすく、ある年齢のラインを超えたところからむしろ優しく接してもらえるようになっていきます。

登校拒否の子供に優しく接する親を想像すれば分かりやすいでしょう。

フリーターはあくまで被害者であり、フリーターを受け入れる体制が整っていない、社会や国が悪いと論点を変えてしまいます。

うつ病の人に「頑張って」ということが禁句なように、フリーターに「就職しなさい」というのが禁句なのは分かっているので、親をはじめ周りは優しく接するしか方法がないのです。

こうなると現状に甘えてしまうフリーターが完成してしまい、ますます就職から遠ざかることになりますが、誰もどうしていいのか分からないのでどうしようもありません。

フリーターが就職しない一番の原因は『心の問題』

引きこもりの中年
色々とフリーターがなぜ就職しないのか述べてきましたが、一番の原因は『心』にあると私は思っています。

フリーターというのは考え方が幼く、自分の人生に責任を取ろうとしません。

いつまでも親がいるからと安心し、夢見がちなことばかり言うようになります。

すべて自己責任に関わらず、結局は自分の心が病んでいき、就職する勇気がでず、臆病になり部屋に引きこもるようになります。

心が健全ならば、何度もチャレンジと失敗を繰り返し、階段を昇るように就職も上手くいくと思いますが、それをするだけの心の耐久力がありません。

挫折した方が人は強くなれますが、そのまま挫折したまま立ち直れなくなってしまうのです。

人の手を借りないと、もはや就職は難しくなりますが、人の手を借りるために役所に行くことすらもできません。

そのうちフリーターでもなくなり、無職として部屋に引きこもるようになります。

世の中がフリーターに対して心の緩和ケアができるようなシステムになっていればいいですが、世間の目は厳しいもので、「怠けている」「自業自得」「自己責任」と決して優しい世界ではありません。

最終的にはひきこもったまま、生活保護になり、一生を終えるという最悪のパターンになるでしょう。

就職できないのは本人の意思とは別個に『心の問題』であり、一種の病気であると理解してもらえるともう少しフリーターも生きやすくなるのではないかと思います。
のんねこ
ミニマリスト
現在は理学療法士という医療従事者として働いていますが、かなりの底辺な人生を歩んできました。

22歳で大学中退⇒フリーターを10年以上経験⇒医学部再受験失敗⇒33歳で理学療法士養成大学に進学⇒37歳で理学療法士として初就職しましたが、人間関係のトラブルで40歳で無職に逆戻り。なんとか転職先を見つけて現在働いています。
こういった経験からお金を大切に使うためにミニマムに生きることにしました。

失敗ばかりで成功体験なんてほとんどありませんが、私と同じように社会の底辺の方でも、ミニマリストになることで人生を上手く生きていく方法をご紹介できたらと思います。
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