
理学療法士3年目、理学療法士という仕事に不安を覚えながらも
やっててよかったと思うことを紹介します
理学療法士に38歳というかなりの高齢で理学療法士になり、早4年目になります。 私みたいな年齢で理学療法士になるのは稀ですが、社会人から理学療法士になる方が多いのも事実。 理学療法士になるためには学校によりますが、3~4年という時間と400万~650万ほどのお金がかかります。 そこまで時間とお金をかけてなる価値はあるのか? 少子高齢化の社会では、医療保険や介護保険を圧迫しているため、これから理学療法士の給料が上がることはほぼないでしょう。 では、給料面で好待遇が望めない中で、理学療法士としてのやりがいはどうなのでしょうか? 私たちは年収だけでは職業を選びません。 やはり理学療法士という職業としてのやりがいも求めます。 私が理学療法士をやっててよかったと思うことを紹介したいと思います。
目次
理学療法士のやりがいとは何か?
新人の1年目はただ業務に追われるだけ
私は2年半、1つ目の老人保健施設で働いていました。
今年の10月に転職活動を終え、今は2つ目の老人保健施設で働いています。
新人つまり1年目のやりがいは、まさに勉強でした。
実習で職場の雰囲気や仕事内容はなんとなく分かっていたものの、何をしたらいいのか、どうやってリハビリをしていいのか分からない状態でした。
半年もすれば、仕事には慣れてくるものの、リハビリの質を上げるというよりはパソコン業務に慣れてきただけでした。
当然、リハビリをして結果だせることもなく、ただ業務に追われるだけでやりがいとか考えている時間はなかったです。



仕事を覚えるだけで大変でした・・・
そんな中でも、毎日1時間は勉強するようにしていました。 私の勉強方法は、リハデミーです。 リハデミーは有名講師によるオンラインセミナーを時間に縛られることなく見ることができます。 動作分析の白本といえば、実習生の中では有名でしたが、『動作分析』の著者である石井慎一郎先生の動画もあります。 実際のハンドリングも見ることができるので、私としては一番おススメです。 新しい知識を手に入れ、「なるほど!」と知識欲を得ることはとても楽しいやりがいのある時間です。 毎日同じリハビリをしていると必ず飽きがきます。 少しでも自分の腕を向上させて、納得のいくリハビリができるようにすることが肝要です。
2年目から理学療法士のやりがいを考え始める
理学療法士は勉強しなければ、学生でもできるようなことをひたすら繰り返すだけでリハビリの効果はまったくでません。 理学療法士というのは名ばかりで、安月給といえども、それだけのお金を貰っていることが申し訳なくなるレベルです。 しかし、理学療法士という仕事は医療保険や介護保険化で仕事をしているので昇給が望めず、給料が上がらないため、勉強に意味を見出せません。 理学療法士として、やりがいを見出せない人はここで悩む人が多いと思います。 勉強はしなければいけない。けれど、やっても給料が上がるわけではない。勉強するのもただではない。 ならば、勉強しない方が金銭的には得なのではないか? 私は、勉強をしてやりがいを覚えながらも、特に評価されることもなく、勉強にのめり込めば込むほど、お金だけが減っていく矛盾に葛藤を覚えていました。
初めて感じたやりがいは、自分が勉強しただけ患者さんが良くなったこと
上記に書いた葛藤も束の間、結局は患者さんが良くならないことからの無力感から勉強はし続けました。
やはり、勉強したらしただけのリハビリ効果がでます。
そして何よりも自分のリハビリに自信が持てるようになります。
よく分からないけれど患者さんが良くなってきた場合と自分が考え推論を立てた上でよくなった場合は、達成感が全然違います。
私が感じた初めての理学療法士としてのやりがいは、自分のリハビリで患者さんが良くなったことです。
お金だけがすべてじゃないと感じさせてくれる瞬間でしょう。
スキルがたまる職業でなければ、こういった達成感は得られないと思います。



おお!狙った通り歩行に改善がみられた!!!
現在勉強のやる気がでず、困ってる人はいると思います。 私も新人の半年間は全くと言っていいほど勉強しませんでした。 理由としては、給料のことを抜きにしても元々そこまで理学療法士という仕事に魅力を感じていなかったからです。 しかし、人は変わるものである3つのきっかけから勉強するようになりました。 詳しくは下記の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい




理学療法士で勉強しない人が勉強をしたくなるコツ
理学療法士で勉強しない人が一定数います。 「その中の一人に私がいます。」と言ってしまったら「理学療法士で勉強しない人が勉強をしたくなるコツ」の記事を書く資格が…
3年目からリハビリの意味について考え始める
勉強しただけ、リハビリ効果が上がり、患者さんが良くなることは間違いありません。 しかし、『患者さんのリハビリをしてADLを上げること』は一見正しいのように聞こえますが理学療法士のエゴです。 なぜなら、老健での患者さんはたとえ良くなっても家に帰るわけでもなければ、寝て起きてご飯を食べてといったサイクルを延々とし、ただ死を待つだけの存在だからです。 老健に預けられる家族さんは、自宅での介護ができないので預けられることが多く、必ずしも自宅に帰ってきてほしいわけではないのです。 家族さんの中には、「リハビリなんかしなくていい。とにかく介護が大変だから預かってくれ。」と言われる人達もいらっしゃいます。 当然、入所者さんは家に帰りたいので、家族を恨み、また家族も入所者さんに暴言を吐かれ、恨みを持つ場合があります。 これが現実です。 『リハビリをしてADLが上がり、自宅に帰れてみんな笑顔』というのは体のいい理想でしかありません。 そのような経緯で入所されるので、最初に入った老健では死んだような目をしている高齢者が多いのが現実でした。 その人たちのQOLを考えないリハビリに何の意味があるのでしょうか? ただ独りよがりにリハビリ効果がでたからと満足しているだけでは、どんどんリハビリ効果がでてもやりがいがなくなっていきました。



自分が満足していても、患者さんが満足していないリハビリに何の意味があるのだろう・・・
転職先でリハビリの形をかえる
理学療法士は積極的に転職するか他の療法士との繋がりを作る必要があります。
理由としては、最初に勤めた職場がリハビリのすべてだと思ってしまうからです。
私の転職の体験談は下記の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい




理学療法士の転職で失敗しないために。経歴最悪での転職活動。
40代理学療法士ですが、そろそろ転職を考えています。転職活動は難しいでしょうか? ここでは私の転職の体験談をお伝えして、少しでも皆様の参考になればなと思います…
同じ老健であっても前の職場と今の職場では全然違いました。 実は前の職場で働いていた時は、老人保健施設で入所者が過ごすことは地獄だと思っていました。 今の職場は、老人保健施設で過ごすのも悪くないと思わせてくれます。 理由としては
- 入所者同士のコミュニケーションがある
- レクが充実しており、入所者が笑っていることが多い
- 入所者のためになるリハビリをしている
さらに詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい




老後の生活の実態は?老人保健施設での生活も悪くない
老後にみんなどのように生活しているのでしょうか? こんなお悩みを解決します。 私は理学療法士というリハビリ職で、老人保健施設で働いています。 老人保健施設は介護…
リハビリに関係あるのは③だけですが、今の職場に入職してから考えがガラリと変わりました。
私の施設は基本型なので個別リハビリと集団リハビリが一回ずつあります。
集団リハビリは、ただの体操ではなく、みんなが楽しめる体を動かすレクレーションをやっています。
集団リハビリをやっていると、とことん人というものは繋がりを求める生き物なのだなと思います。
集団リハビリの方が、圧倒的に楽しそうに笑ってリハビリをしています。
個別リハビリでは意欲がなく、まったく動けなかった人も集団リハビリでは、ちゃんと動けるんです。本当にびっくりしました。
笑っている顔がみたい
理学療法の直接的な目的は運動機能の回復にありますが、日常生活動作(ADL)の改善を図り、最終的にはQOL(生活の質)の向上をめざします。
理学療法士協会
老人保健施設で一生を終える高齢者の方のQOLとは何なのでしょうか? 高齢である限り、どれだけリハビリしても年齢とともに能力は下がっていきます。 どれだけリハビリをしても最終的には寝たきりになってしまうことが多く、自分達がしてきたことに意味はあったのだろうかと思い悩んできました。 しかし、たとえそうであったとしても、リハビリで笑って過ごせる時間を持たせられたことが今の私にとってやりがいになっています。 もちろん、これからも勉強してスキルアップはしていきます。 それでも、理学療法士のやりがいは何かと聞かれたら迷わず「患者さんが笑って楽しんで暮らせる時間を増やすこと」と答えます。 寝たきりになってしまう方でも、私が行って声をかけるとニコッと笑ってくれます。 喜んでくれているのが分かるのです。寝たきりとなり、ずっと天井の壁をみて過ごす生活。 自分がもしなったらと思うと地獄としかいいようがありません。 私なら笑うことすら難しいでしょう。 そんな方が少しでも笑える時間を持たせられることが私の中の仕事の意義となっています。
幸せの観点からいけば、理学療法士は良い職業
みなさんの究極の目的は、お金を得るためでも、ゴッドハンドを手に入れるためでもなく、幸せになるために職を選びたいのではないでしょうか。
高収入でも、残業が多いせいで健康を害しては幸せとはいえません。
リモートワークの仕事でも、まったく人と接点がなければ孤立する可能性があります。
コンビニのレジ打ちのような達成感を得られないような職だとやりがいを感じることは難しいです。
理学療法士は、残業が少なく、夜勤もない職業なので、健康を害する事はありません。
理学療法士として大変なことはもちろんありますが、少なくとも私の職場は楽に仕事ができます。
あわせて読みたい




理学療法士にとって楽な職場とはどこか?人間らしい生活をするために
『理学療法士 楽な職場』で検索されるということは、理学療法士の中の一定数は楽なところで働きたいと思っている人がいるのでしょう。 私も同じ考えの人間です。 私が求…
朝起きて、散歩をして、ご飯を食べて、仕事をして定時に帰り、8時間睡眠ができていればセロトニン的幸福が得られます。 理学療法士は患者さんとコミュニケーションをとることで、人とスキンシップが取れます。 患者さんの笑顔を見ていると、元気がたくさんもらえます。人とのふれあいはオキシトシン的幸福が得られます。 理学療法士は、リハビリの効果で患者さんが回復する姿をみれば、達成感が得られます。 日に日に良くなっていく患者さんをみると、とても嬉しいです。達成感はドーパミン的幸福を得られます。 セロトニン的幸福、オキシトシン的幸福、ドーパミン的幸福て何だ?と思われたと思います。 セロトニン、オキシトシン、ドーパミンは幸福に関する脳内物質です。 幸せを感じるというのはこの3つのホルモンがでている状態です(厳密にはたくさんの幸せホルモンがあります) セロトニン的幸福は、健康の幸福です。 オキシトシン的幸福は、つながりと愛の幸福です。 ドーパミン的幸福は、お金、成功、達成、富、名誉、地位などの幸福です。 ここでは詳しく説明しませんが、理学療法士はこの3つの幸福ホルモンが得られやすい職業です。 理学療法士のやりがいはここでいうドーパミン的幸福に入りますが、他の幸福感が得られやすいです。 価値観をお金だけに置かなければ、とても良い職業と言えます。 幸福ホルモンについて詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい




幸せホルモンを増やす方法。あなたを幸せにする3つの幸せホルモン
毎日辛いです・・・。幸せホルモンを増やす方法を教えてください。 こんなお悩みを解決します。 幸せになる方法は精神的な面に偏りがちです。 具体的な根拠もなく、本当…
1番の理学療法士のやりがいは「ありがとう」と言ってもらえること
今でも思い出すのが、患者さんがわざわざリハビリ室まで来てくれて
「のんねこ先生のリハビリが一番よかった~ありがとね~」と言ってくれたことです。
その方はデイケアを利用していましたが、事情があり、デイケアを利用できなくなってしまい最後に挨拶にきてくれました。
私よりもスキルがある先輩方もいて、その先輩方もその患者さんをみてくれていましたが、私にだけ言ってくれました。
私はおばあちゃんこだったので、とにかくおじいちゃんおばあちゃんが大好きです。
したがって、みんな自分のじいちゃんおばあちゃんだと思って接しています。
その気持ちが伝わったのかな?と今では思います。
私たちが相手にしているのは人であり、ただADLを上げるだけの患者さんではありません。
しかし、これから理学療法士になる人には絶対おすすめしない職業です。
やりがいだけで生きていける時代ではありません。
家庭を持ち生活していこうとおもうならば、どうしてもお金が必要になります。次の記事を参考にしてみてください。
あわせて読みたい




現役理学療法士が語る「理学療法士はやめとけ」と思う理由
結論からいうと、まじで理学療法士を目指すのはやめとけ!と思います・・・ これから理学療法士を目指す学生には夢を壊すようで申し訳ないなと思います。 しかし、人生…
それでもなりたいと思うあなたは本物でしょう。 きっと素晴らしい理学療法士になれると思います。 ぜひ頑張って理学療法士になってください。 理学療法士をやりながら、収入を安定させるには副業が一番だと思っています。 私はそういった理由もあり、副業でブログを続けています。 もし興味があるようでしたら、下記の記事を参考にしてください。
あわせて読みたい




副業をしないとやばい時代。副業は何をやるべき?
副業しないとどうしてやばい?やばいのは分かったから副業したいけれど、何をしたらいいのか分からない。 このお悩みを解決します。 コロナ化で先行きが見えない中、副…