理学療法士に触られるのは恥ずかしい!しかし、セクハラではありません。

理学療法士に触られるのは恥ずかしい!しかし、セクハラではありません。
理学療法士は治療としてどうしても患者さんの身体を触る必要があります。

リハビリ対象とされる患者さんには老若男女問わず色々といらっしゃいますが、特に若い女性は男性に身体を触られることは恥ずかしいと思うことが多いのではないでしょうか?

一見すると、リハビリはセクハラと思われてもしょうがないことをしています。

我々理学療法士はあくまで治療として身体に触れていますが、理学療法士が患者さんを治療する際にどうして体を触る必要があるのか知りたいと思うとは当然だと思います。

治療によっては身体のきわどい部分も触ったりするので、何も説明もなしに触られてはたまったものではありません。

ここではどうして理学療法士が患者さんに触る必要があるのか丁寧に解説していきたいと思います。

少しでも誤解を解いてもらい、あくまで治療の一環なんだと納得してもらえたら幸いです。
目次

患者が理学療法士に対して恥ずかしいと思うとき

きわどい部分を触られる

女性にマッサージをする理学療法士
理学療法士は胸やデリケートゾーンは流石に触ることはありませんが、それ以外の恥ずかしいと思う部分を触ったりします。

例えば太ももやお腹、鼠径部や臀部などが恥ずかしい部分に当たるのではないでしょうか?

治療目的でやっているため、理学療法士の先生に下心がなければよいですが、女性からしてみれば結構不快に感じるでしょう。

この後どうして理学療法士はそんなにも患者さんに触れる必要があるのかご説明しますが、いきなり触られるとびっくりしますし、一歩間違えればセクハラになってしまいます。

基本的に女性にとって一番身体に触れるのは交際相手でしょうから、それ以外の他人にここまで触れられるのは免疫がないため、かなり恥ずかしい行為だと思われます。

脂肪があるのがばれる

下腹部に手をあてる若い女性
服の上からは脂肪のあるなしが誤魔化すことができても、触られれば脂肪があるのがばれてしまうため人によってはかなり恥ずかしいでしょう。

特に脂肪の付きやすいお腹周りも私たちはマッサージ(厳密にはマッサージではない)をする必要があるので、お腹がたるんでいれば直に理学療法士の先生にばれてしまいます。

脂肪があることが割り切れる年代ならばいいですが、若い女性にとってはかなり恥ずかしいのではないでしょうか?

治療のためにわざわざダイエットするわけにもいかないし、おいしいモノは食べたいし、お腹周りは脂肪がつきやすいしどうにもならいだけに恥ずかしさに耐えるほかありません。

といっても、理学療法士の先生の頭の中は治療のことしか考えていないのでそこまで気にする必要はないというのが一応のアドバイスになります。

イケメンに触られるのは恥ずかしい

医療服を着たイケメン男性
おじさんに触られれば気持ち悪いという感情が沸くでしょうが、若くてイケメンの先生に触られれば恥ずかしいという感情が生まれるのは当然でしょう。

理学療法士の先生はどちらかと言えば20代の若い先生が多いため、高確率で担当になる可能性があります。

さらに理学療法士は学生時代にスポーツ障害を患った学生が理学療法士を目指す場合が多く、スポーツ選手=かっこいいわけではありませんが、スポーツ選手には細マッチョが多いためか、イケメンにみられることがあります。
したがって、若くてしっかりと引き締まった体のイケメンに体を触られれば恥ずかしくなるでしょうし、恋心を抱いてしまうかもしれません。

好きな相手に触られればなおのこと恥ずかしくなってしまうと思います。

理学療法士という職種だけにイケメンが多いわけではありませんが、理学療法士は言葉は悪いですが体を触る職種である以上恥ずかしいと思われるのは仕方ないような気がします。

思った以上に運動ができない

ベッドでリハビリを受ける女性と理学療法士
リハビリは整体が流行ってきたためマッサージを中心とした受け身でよいと思われがちですが、本来の病院や施設でやるリハビリは運動がメインです。

普段からほとんど運動してない方が多いので、リハビリで本格的な筋トレやいつもやったことのない動きをしようとするとまったくできないことに気付かされます。

若い頃の運動の記憶がそのまま残っているので、普段の生活からでは体力が大幅に低下していることに気付かないことが多いみたいです。

簡単な運動すらできないと恥ずかしいと思いますし、ゼイゼイ肩で呼吸しながら汗水している姿は誰もが見られたくないと思うものでしょう。

といっても、運動をしないとよくはならないのでリハビリをマッサージと勘違いしているととんでもない目にあいます。

理学療法士に触られるのは恥ずかしいけど、一体何をしてる?

筋の緊張をみている

患者さんの腰の筋肉を触診する理学療法士
筋の緊張というとあまり馴染みのない言葉かもしれませんが、要するに筋肉が硬くなっていないかを診ています。

過剰に筋肉を使用しすぎると筋肉にしこりができ、一部分だけ硬くなったりします。

大体の痛みの原因がこの筋肉のしこりなわけですが、触ってみないことには筋肉が硬いかどうか分かりません。

腰が痛いと言われれば腰を触りますし、お尻が痛いと言われればお尻などの人によっては恥ずかしい場所も触ったりします。

また、例えばお尻に痛みがなく、足全体に痛みがある場合、お尻の筋肉が硬くなり、神経を圧迫している場合もあるので、結局何も痛みを感じないお尻を触ったりします。

お尻は女性にとってはデリケートな部分なので、触られたくないというのが本音でしょうし、患者さんによっては誤解を招く恐れがあります。

きちんと説明があればセクハラと思われずに済む話なので、セクハラと思われるのは理学療法士の方に原因があると思います。

筋が動いているか見ている

ダンベルでトレーニングする女性
人の運動には本来動くための筋肉が動かず、他の筋肉が代わりに動いてしまっている場合があります。

これを専門用語で代償動作と言います。代償動作が続くと、本来の動きとは違う動きを無理に行うため、筋肉や関節の痛みの原因に繋がっていきます。

目で見ても、本来動くべき筋肉が動いているか判断することもできますが、確実ではないので実際に動かしたい筋肉を触って筋肉が動いているか確認します。

筋肉は体中についており、もちろんデリケートな部分にもついています。

よって、触ってほしくないところまで筋肉の動きをみるために触られることになりますが、恥ずかしいようならば理学療法士にはっきり言うようにしましょう。

弱っている筋肉を動かすために触る

リハビリを受ける若い女性とリハビリをするイケメンの理学療法士
先ほどの代償動作の話の続きになりますが、動いていない筋肉を動かすためには触って感覚を入れる必要があります。

弱っている筋肉を動かすために、理学療法士が実際に触って、「動かす筋肉はここだよ」とポンポンと指先で触ったりします。

そうすると患者さんも「動かす筋肉はそこなのか」と意識しやすくなり、筋肉を働かせやすくなります。

ただ触るだけでなく、刺激をいれて「ここを動かしてください」と理学療法士が言ってくれるので、治療の一環として認識しやすく変な誤解を招くことは少ないでしょう。

体を触るとなるとマッサージが多いので、あまり納得いかないかもしれませんが、筋肉を鍛えるためにも触る必要があることを覚えておいてください。

それでも理学療法士がやっていることが「うさんくさいな」と思うようならば下記の記事を参考にしてみてください。

患部が熱いか、むくんでいないか、赤くなっていないかを診ている

理学療法士にカウンセリングを受ける若い女性
転んだりして打撲したり、長時間関節や筋肉を使用していると痛みがでてきたりします。

そうなると服をめくって直接患部を診たり、触ったりしなければどうゆう状態なのか分かりません。

外傷したところの状態が悪くなると患部が赤くなったり、熱くなったり、腫れたりします。

ほとんどの場合、医者に診てもらったときに診断はでていると思いますが、理学療法士も一応患部の確認をします。

実際に患部を触ることで患部の状態の程度が分かるので、触診は必須になります。

自分でも痛みの部位が分かっているので、この触診で誤解を招くことは少なそうです。

筋肉が硬くなっているところを柔らかくするために触る

腰のマッサージをする理学療法士
先ほどもご説明しましたが、筋肉を使いすぎると、筋肉は硬くなってきます。

特に「痛いな」と思う部分の筋肉を触ると、筋肉のしこりみたいなのができているので分かりやすいのではないでしょうか?

そういった場所があると筋肉は正常に動かず、また痛みを誘発するため、一番最初に必ず筋肉を解きほぐす作業を行います。

実際には筋肉を触って、マッサージに似た行為を行うため、ガッツリ触られる時間が長く、人によっては抵抗感があるでしょう。

痛みの原因となっているところはすべて行うため、結構きわどいところも触ったりします。

痛みがなくても筋肉が硬くなってくると姿勢に影響を及ぼしてくるので、ほぐして正常の状態に戻したりする作業も行います。

ただマッサージ行為に近いため、治療されているのはよく分かるので誤解することは少ないでしょう。

ストレッチを行う

上半身をストレッチする理学療法士
私たち理学療法士の間では関節可動域訓練と呼ばれていますが、要するに関節の動く範囲を増やすためにストレッチを行います。

関節が動かす範囲が狭いと、他の関節が余計に動いてしまうため、痛みの原因に繋がります。

ストレッチはもちろん自分でもできますが、中々一人でどこの筋肉を伸ばしたらいいのか分からない方も多いでしょう。

したがって、必要な筋肉をストレッチするため、必ず触る必要がでてきます。

しかし、ストレッチは誰でもよく分かる行為なのでセクハラと間違われることは少ないと思います。

ただ体幹の回旋を促すために、胸に近い場所を触ったりするので一言断りがなければ勘違いされることもありそうです。

理学療法士にやましい気持ちはないのか?

女性が若くて綺麗だと「やましい」気持ちはわく

うつ伏せの女性患者に施術する理学療法士
男ならば若くて綺麗な女性の体を触ることがあるならば、やましい気持ちをわかせるなという方が無理です。

「男は平均すると52秒にいちど性的なことを考える」との研究もあるぐらいなので、本能を大脳新皮質で抑え込んでいるというのが本当のところでしょう。(参考文献:女と男 なぜわかりあえないのか)
つまりは本能的なものなので、やましい気持ちがわかない方がむしろおかしいと言えるでしょう。

ただし、私たち男性は医療人であり社会人であり大人でもあります。

たとえ、やましい気持ちを持っていたとしても理性で気持ちを押さえつけることができなければプロとは言えません。

大抵の男性の理学療法士は、我慢してというと語弊がありますが、なるべく考えないようにしてリハビリに臨んでいるはずです。

体にぴったりの服や露出の多い服を着なければ、やましい気持ちをわかせることも少なくなるでしょう。

女性を触るときは最大限配慮している

ベッドでリハビリを受ける女性と理学療法士
私は女性を触るときは最大限配慮しています。

先ほど説明したように「こういった理由でここを触ります」「触っても大丈夫ですか?」と一声かけます。

同意がないとあとでセクハラと訴えられても困るからです。理由が分かれば、女性も安心することができます。

女性の患者さんはイケメンの理学療法士に触られるのは恥ずかしいと思うかもしれませんが、理学療法士の方も「申し訳ないな」「恥ずかしいな」と思いながら触っています。

女性の体に触るので意識してしまっているのは認めますが、最大限配慮していることも忘れないでほしいです。

決してやましい気持ちで治療に必要でないところを触ろうとしているわけではありません。

セクハラかどうかの判断基準

患者さんにしっかりと説明をする理学療法士
理学療法士が黙って治療していれば、セクハラと間違われてもしょうがないと思っています。

それぐらい女性の体をペタペタと触ります。

治療と言いながら、変なところを触ってくる理学療法士には要注意ですが、やはりやましい気持ちはあるのでしっかりと何をしているのか説明しています。

同じ話になりますが、しっかりと説明していればたとえやましい気持ちがあったとしても変に誤解を招くことはありません。

ただ触るために適当な説明をつけている理学療法士がいないとも言い切れないところがあります。

そういった場合の判断基準はしっかりとリハビリの治療効果がでているかどうかです。

そうでなくても、リハビリする姿を見ていれば理学療法士の先生が誠実かどうかは分かるでしょう。

自分の直観で判断するのも1つの手です。

理学療法士に触られるのは恥ずかしい!なんとかして!

女性の理学療法士
といっても、中には「どうしても男性理学療法士に触られるのは嫌だ」という人もいるでしょう。

そういったときは遠慮せず、「女性の理学療法士に代わってほしい」と言えばいいです。

ちゃんとした理由を言ってもらえれば、気を悪くする理学療法士はいないと思います。

治療する場所によっては鼠径部や臀部や脇腹を触ったりするので、私ならば「デリケートな部分を男性に触ってほしくないのは当然だよな」と思うだけです。

整体を含め体に触れる必要のある治療はセクハラも十分ありえるので、自分の身は自分で守るようにしましょう。

理学療法士によってはチャラくて、どう考えてもやらしい気持ちを剥き出しの人もいるでしょうが少数です。

嫌ならはっきり嫌と言いましょう。セクハラまがいのことをすれば職場での立場が悪くなるかもしれませんが、自業自得というものです。
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