悩みねこ
理学療法士になりたいです。
理学療法士の専門学校の入試は難しいのでしょうか?
理学療法士になるには、専門学校もしくは大学を卒業し国家試験に受かる必要があります。
医師になるには専門学校ではなく医学部のある大学に受かる必要があるため大変ですが、理学療法士は専門学校があるため比較的に楽になれる職業です。
また、大学に比べ専門学校は偏差値が低いところが多く、さらに教科数も少ないため理学療法士になるのに難易度はかなり低くなります。
実際に理学療法士養成校の専門学校の偏差値をみてみると、最低が44とかなり低めです。
(出典:理学療法士 専門学校 偏差値 一覧)
したがって、楽に専門学校に入れることとお金が安く済むことと時間が短縮できることから安易に3年制の専門学校を受験すればいいと考えがちです。
しかし、専門学校や大学にはどちらもメリットデメリットがあるため、もう少し理学療法士の学校選びを真剣に考える必要があります。
入試に関してだけ言えば、理学療法士の専門学校の入試の難易度は低く難しくありません。 しかし、私は某私立大学の理学療法士専攻と専門学校の両方を受験しましたが、専門学校に不合格になりました。 某私立大学は医療界では有名な大学で圧倒的に専門学校よりも偏差値が高かったのに関わらずにです。 なぜ偏差値が高い方が受かり、偏差値の低い専門学校が落とされたのでしょうか。 それをこれから説明します。
私のスペック
- 22歳で大学中退
- 10年以上フリーター生活
- 27歳のときに医学部再受験を志すが、遠く及ばず断念
- 社会人経験のないまま、理学療法士の大学と専門学校を受験する
- 33歳で理学療法士養成校の某私立大学に合格
因みに私のスペックを紹介しておきますが、これぐらいのレベルでも理学療法士の大学に受かり、理学療法士になれているので私のように30代で理学療法士を目指す人は希望を持ってもらって大丈夫です。
経歴が悪かろうが、フリーターであろうが、無職であろうが、高齢であろうが、医療系の資格の力は絶大で一般職に比べればかなり楽に就職できます。
詳しくは下記の記事に書いているので参考にしてみてください。
30代から理学療法士に挑戦する!フリーターでもなんとかなる。
30代から理学療法士を目指すのは無謀でしょうか?理学療法士になっても就職できないてことはありませんか? 私は33歳で大学に入学し、37歳で理学療法士として就職しまし…
目次
理学療法士の専門学校の入試は難しいのか?
面接があるかないかの問題
1番の問題は、入試科目に面接があるかどうかです。 大学の入試科目には、面接はなく、専門学校には面接がある場合が多いです。 私が自宅から通える専門学校にはすべて面接がありました。 高校生や社会人経験を積まれた方は、面接対策がしっかりしており、経歴も特に問題ありません。 しかし、私みたいなフリーター生活を続けていると、経歴も悪く、コミ障もあり、面接ではまったくと言っていいほど喋れません。 緊張のあまり自分が何を喋っているか分からなくなり、泣きそうになったぐらいです。 この記事を読んでるあなたが高校生や社会人経験者であれば、面接ではほとんど差がつかないので、あとは一般の入試科目の問題になります。 さらに社会人経験者は、社会人枠があるので小論文と面接の対策だけで済む場合があります。 必ず、自分が受ける専門学校に社会人枠があるのかを確認するようにしましょう。 ただ、高校生の方も社会人の方もそもそも自分が理学療法士に向いているのか考えているでしょうか? 曖昧な志望動機は面接でも落とされやすいので要注意です。
得意科目があるかないかの問題
誰もが受験するときは受験する学校の入試科目を確認すると思います。 私が受験した某専門学校の試験科目です。
医療職となると理系のイメージが強いと思いますが、なぜかこういった文系の科目が受験内容だったりします。 私は理系学目が得意で文系科目は苦手でした。特に英語に関してはどれだけ勉強しても成績が上がらず、壊滅的でした。 この入試科目が自分の得意科目と一致していないと、どれだけ偏差値が低かろうが落ちます。 偏差値というと全体の偏差値を見てしまうと思いますが、各科目ごとの偏差値を見た方が正確です。 入試科目の偏差値とその科目の自分の偏差値を照らし合わせてみてください。 先ほど、理学療法士の大学の受験には受かったと言いましたが、理由は入試科目が数学、化学、英語と2/3が自分の得意科目だったからです。 専門学校を入試される場合は、自分の得意科目があるかどうかを判断基準にしてください。 不得意科目がある時点でどれだけ努力しようとも無駄に終わる可能性があるので要注意です。
理学療法士の専門学校の入試はやっぱり緊張する?
専門学校の科目数を考えれば、緊張するのはやはり面接だけです。
ほとんど集団面接になると思いますが、他人との比較になるため余計に緊張してしまいます。
高校生は学校でしっかり面接対策をされているので、はきはきと答えられる人が多く、社会人の方やフリーターで面接対策をしていないと面接でかなり差が開くと思ったほうがいいでしょう。
私と一緒に受けた高校生は模範になるような回答する人が多かったので、相当訓練していかないと面接で落とされます。
といっても、面接対策は小手先よりも場慣れです。
練習でたくさん練習して失敗するしかありません。
面接で緊張して何も話せない心配があるようでしたら、親でも友達でも誰でもいいので、面接で答えられるよう対策しておきましょう。
理学療法士の専門学校の面接で聞かれること
私が受けた理学療法士の専門学校の面接では複数の面接官に複数の受験生で相手をする集団面接でした。 1対1ではないので、他の受験生と比べられ余計に緊張してしまいました。 私が面接で受けた質問は
- 志望動機
- 本校を選んだ理由
- 時事ネタ
- 私の長所短所
- 今までで一番がんばったこと
と定番のことばかり質問されました。
他の二人の学生は学校でしっかりと指導されてきたのかしっかりと答えていたので、面接で差がつくというよりは学科試験で差がつくのだと思いました。
私は専門学校の面接のせいで失敗しましたが、そもそも一度も練習せずに臨んだからです。
後になって転職時に面接を何度か受けましたが受ければ受けるほど上手になっていくのが分かりました。
そして面接において何よりも大事なのが、面接本番は「まぁ失敗してもいいか」という気持ちで受けることです。
変に気合を入れすぎると頭が真っ白になり、実力を出し切れません。
私が一番上手に面接できたのは、リラックスして「テキトー」に受け答えしてたときなので不思議なものです。
偏差値が低い専門学校でも理学療法士になれる?
偏差値が低い理学療法士の専門学校を目指す人たちは、学力が良くなく、それでも理学療法士になりたいと思ってる人たちだと思いますが、要するに勉強が得意ではないもしくは好きではない人達が多いと思います。
専門学校に入学したとしても、することは高校の延長でひたすら座学と臨床実習で勉強をし続けなければいけません。
専門学校の試験でお情けで試験に合格し進級できたとしても、理学療法士の国家試験の難易度はどの学校に進学していようが一緒なので、レベルに達していなければ不合格になります。
理学療法士の国家試験になれなければ理学療法士になれないので偏差値44の学校で自分が理学療法士になれるかどうかは心配になるでしょう。
私の考えを述べさせていただくと、偏差値44の専門学校だろうが、偏差値60の大学だろうが、授業のカリキュラムに大した差はありません。
私が受験した私立大学は臨床実習の時間の多さが売りでしたが、臨床実習の時間が多かろうがあまり国家試験には関係ありません。
私が受験した私立大学の偏差値は57でしたが、お偉い教授が淡々とつまらない授業をするだけで、大学受験時の予備校の先生のように面白い授業をしてくれるわけでもありません。
となると、理学療法士の国家試験の合否は結局は自分がどれだけ勉強したかで決まってしまいます。
専門学校だろうと理学療法士の国家試験の合格率98%!などとうたっているところが多いですが、この数値には罠があります。
理学療法士の国家試験の合格率は『(合格した人の数/受験した人の数)×100』で決まってしまいますから、要するに学力が低い学生を受験させなければ自然と合格率が上がります。
偏差値が低い専門学校は、偏差値の高い学校に比べ、勉強ができないわけですから、落ちこぼれを生みやすく、理学療法士の国家試験を受けさせてもらえないことがあります。
しかし、これは学校側のせいではなく、そもそも学校側がこの学力で国家試験に受かるとは思えないと判断しているわけですから、元々実力がないのです。
『偏差値44の専門学校でも理学療法士になれる?』の質問に対して結論をいうと「入学した後の自分の努力次第」というありきたりの答えになってしまいます。
ただし、単純に学校の勉強がつまらなくて身が入らない場合もありえるので、私としては『リハノメ』などの動画サイトを利用して一流の先生の臨床をみておくと、理学療法士に興味が持てるようになると思っています。
学校で習うROMやMMTを楽しいと思う人はまずいないので理学療法士はつまらないと思ってしまいがちですが、それを理学療法士のすべてと思わないでください。
理学療法士の大学の入試は専門学校に比べて難しいのか?
大学入試は結論だけ述べれば、「国公立は入試科目数が増えるので難しいが、私立は3科目しかないところが多いので得意科目があるならばそこまで難しくない」というのが答えです。 国公立は共通テストの点数で合否が変わってくるので一気に難易度があがります。 例えば信州大学の理学療法学に受かるには共通テストで67%必要です。(出典:マナビジョン) 一見6割なので簡単に思えますが、科目数が7科目あるためかなりの負担です。 さらに2次試験は、共通テストと比べ1科目の範囲が広く深くなるため2次試験用の勉強も必要となります。 私立大学は一般入試の他に、共通テスト利用で受験する方法(共通テストの点数で合否を判断する)があります。 個人的に負担を減らすのならば国公立の大学を受けるよりは私立大学の一般入試の方が勉強する範囲が狭くなるので受かりやすいと思います。 私の場合は文系科目が苦手で理系科目が得意でした。
上記は私が受けた大学の入試科目ですが、不得意な英語はあるものの、得意な理数系科目の配点が200点と高かったので受かったようなものです。 私立大学ならば3科目を必死に勉強するだけで合格することができます。 しかも、面接なしは個人的にはかなり大きいポイントでした。 専門学校に比べ勉強する範囲は増えますが、得意科目で勝負できるので負担が少なく難易度は一気に下がります。 専門学校卒と大学卒では、大学卒の方が今後人生の方向を変えた場合(理学療法士をやめたいと思った場合)替えがききます。 できることなら大卒の資格を得るようにしておきましょう。 大卒を取っておけば、中卒や高卒では受けらない採用試験を受けられたり、高い給料をもらえたりします。 大卒の平均生涯年収は男性の場合約3億といわれていますが、専門卒の場合は約2億6000万円です。 参照元:独立行政法人労働政策研究・研修機構 大学に行くだけで、将来4000万円も差が生まれることになります。 また、大卒でないと就労ビザを取れない国が多いのも特徴です。 単純な仕事なら可能ですが、海外で知的労働の仕事を探そうとすると、大卒じゃなければほぼ不可能ということが多いです。
理学療法士の私立大学は、お金がかかりすぎることが欠点
お金に多少余裕があるならば、私立の大学の受験することをお勧めしますが、大抵の学生は奨学金を借りていく場合が多いのではないでしょうか。 大学にかかるお金は、私立大学の4年間学費は大体650万円ほどで+αで諸経費が300万円ほどかかるため、合計すると理学療法士になるために1000万円のお金がかかります。 ある程度は親御さんが学費を賄ってくれるとは思いますが、全負担は難しいため一部は奨学金を借りる羽目になると思われます。 日本学生支援機構の「令和2年度 学生生活調査」によると、奨学金を受給している学生の割合は、大学(昼間部)で49.6%です。 つまりは約半数が奨学金を借りる時代でありますが、卒業後1000万円に近い奨学金という名の借金をするのはかなり就職後の生活を厳しくさせます。 理学療法士の給料は実際に自分の住んでいる場所から近い理学療法士の求人先の情報を見るのが一番確実です。 Googleで検索すれば、いくらでも初任給の平均がでてきますが、東京などの都会も含まれているため、実際に就職する先との給料の差が必ず生まれます。 それならば、自分が就職するであろう病院や施設などの求人が一番信頼できる情報源になります。 私自身は一番最初に老健に就職しましたが、初任給が23万円ほどで手取りにすると20万円ほどしかありませんでした。 私は奨学金を合計500万円ほど借りてしまったので月27,000円の奨学金の返済があり、実際の手取りは17万円ほどになってしまいます。 一人暮らしそれば最低でも10万円は生活費にかかりますから、どれだけ厳しい生活が待っているか分かってもらえるでしょうか。 奨学金は世間では勉学に励むために仕方なくお金を借りるという認識でしょうが、実際はただの借金ですので勘違いしない方がいいです。 当たり前ですが、借りたものは返さなければいけません。
理学療法士の学校選び。実力は大卒でも専門卒でも差がつかない
3年制の専門学校に比べ、4年制である大学は実習時間が長く学生時代に実力の差が一番つきやすいところです。 学校により実習時間には差があるため一概には言えませんが、関西医科専門学校では1年次夏1週間・冬2週間計3週間の臨床体験実習、2年次冬3週間の臨床体験実習、3年次は8週間毎日の臨床実習があるようです。 私が卒業した大学では、2年次に2週間の臨床体験実習、3年次に5週間×3の臨床実習、4年次に5週間×2の臨床実習あり合計すると、厚生労働省指定規則が定めた基準時間である800時間の約2倍、1,665時間ありました。 専門学校と大学との臨床実習の時間の差がよく分かると思います。 理学療法士の質を求めている学生さんならば、単純に考えれば実習時間が長い方が優秀な理学療法士になれると考えてしまうかもしれません。 しかし、実習時間が長かろうが短かろうが理学療法士として差が開くのは意欲的に実習に参加しているかどうかです。 といっても、患者さんを受け持つわけではない臨床実習では、大した知識は身につきません。 はっきりとした実力差が生まれれるのは、学校を卒業した後にどれだけ自己研鑽を怠らないで勉強できるかどうかです。 したがって、専門学校だろうが大学だろうが理学療法士の学ぶ場所としては特に気にする必要はないとだけ言っておきます。 ただ、しっかり学ぼうと思った場合大きな病院に就職を考えると思いますが、やはり学歴が大切で学校のネームバリューがないと中々就職できないのが現状です。 一般職に限らず医療職であってもどこの学校を卒業しているかは大切ですので、一流の理学療法士になりたいのならば学校選びも慎重になりましょう。
理学療法士の専門学校の入試は難しくない
理学療法士になるには専門学校の方が、入試科目が少なく範囲も狭いので勉強の負担はかなり減るでしょう。
しかし、自分の得意分野で勝負できないといくら簡単といえども私みたいに落ちます。
逆に自分の得意分野が分かっており、それが入試する学校に合致しているならばワンランク上の学校を目指してもいいのではないでしょうか。
まず、下調べをして自分の得意分野で受験できる学校を探し、そこに受かるための必要最低限の勉強をしましょう。
自分に合っていないオーバーな勉強は、かえって自分を苦しめます。
本気で理学療法士になりたいのならば、理学療法士の良いところ・悪いところを知った上で受験に望むべきです。
「人の役に立つ仕事がしたい」という理想だけでは、仕事はできません。
そもそも、私は理学療法士になることはあまりお勧めしていません。
理由は、他の職種に比べ圧倒的に給料が低いからです。
就職した後のみんなの口癖は、「あれだけお金をかけて理学療法士になったのに給料が安すぎる」です。
実際の給料額がいくらか気になると思うので載せておくと、理学療法士の年収の中央値は351万円です。
(出典:平均年収.jp)
平均ではなく中央値を記載した理由は、平均は年収が高い人がいると一気に平均年収が高くなってしまいますが、中央値は中央値付近の年収の人達が一番多いということですから、中央値で記載させていただいています。
因みに私の年収は6年目で360万円ほどで、ほぼ中央値と同じ年収です。
若い頃はどうしても仕事選びにやりがいを重要視しますが、歳を取れば取るほど年収が低いことが一番の苦になります。
やりがいは慣れとともに消えていくと思ってください。
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