デスクワークが多い世の中では座りすぎる日本人が多いように感じます。 私はリハビリ職ですが、それでも書類業務があるため、2~3時間デスクワークで座りすぎてしまうことがあります。 世界20か国の平均座位時間をみてみると、世界平均は5時間ですが、日本人は7時間と最も長く、世界で一番「座りすぎ」の国です。 シドニー大学の研究によると、1日に座っている時間が4時間未満の人と比べた場合、7時間座り続ける日本人は死亡リスクが15%増加します。さらに1時間ごとに平均余命が22分間短くなると推定されているそうです。 出典:Sitting time and all-cause mortality risk in 222 497 Australian adults 座り続けるとどう体に悪いに悪いのでしょうか? 順を追って説明していきます。 尚、この記事は樺沢紫苑さんの『ブレイン メンタル強化大全』を参考にしています。
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目次
座りすぎるとどう体に悪い?
認知症のリスクが高まる
アメリカUCLAの研究では、座っている時間が長い人ほど、認知機能が低下し、アルツハイマー病など認知症のリスクが高まります。出典:Get up, stand up, stand up for your health!
認知症について、自分はならないと軽く見ていますが、80歳代の後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症です。
私は老人保健施設に勤めているので、他の人よりは認知症の症状については詳しいつもりです。
認知症になると一番つらいなと自分が思うことは、「清潔不潔の区別がつかなくなること」です。
平気でお尻に便がついたままだったり、便器に手を突っ込んだり、落ちているモノを食べたり汚いなと思うことが多いです。
特に便臭は耐え難く、部屋全体に充満します。家族さんが施設に預ける1番の原因が便の処理ではないかと思わずにはいられません。
認知症についてさらに詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
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血流が悪くなる
30分座り続けると、血流速度は70%も低下し、血液はドロドロの状態になり、血管が詰まりやすくなります。 そうなると、高血圧や動脈硬化が進み、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。 糖尿病のリスクも2.5倍高くなり、がんのリスクも21%高くなります。 このように、ほとんどの生活習慣病のリスクと死亡率を大きく高めます。
定期的に運動していても意味がない?
「座りすぎ」による健康の悪影響は、定期的な運動によっては相殺できません。 生活の中で座りすぎている場合は、運動プログラムを定期的に実施していても、寿命が短く、肥満度が高く、2型糖尿病罹患率や心臓病罹患率が高いことが報告されています。 出典:座位行動 - 厚生労働省 ユタ大学の研究で、1時間ごとに2分の運動を行った場合、常に座り続けている人と比べて死亡率が33%も減少することが分かりました。 15分以上座り続けると、認知能力と集中力が低下し、作業効率が落ちるという研究もあります。 座り続けると、仕事のパフォーマンスが下がる経験は、みなさんも実感としてあるのではないでしょうか。 1時間に最低でも2分は立ち上がり「歩く」などの軽い運動をすることで、仕事のパフォーマンスの低下を防ぐことができます。
「座りすぎ」を防ぐ方法
1時間に1回トイレか手洗いに行く
さすがに仕事中に急に立って社内をぶらぶらしているとさぼっていると思われるので、私はトイレに行くようにしています。
また、長時間デスクワークしていると手汗をかくので、手洗いをすると気分もすっきりするのでお勧めです。
室内とは違い廊下は密封されていないので、室内よりは新鮮な空気を吸うこともできます。
Apple Watchのアクティビティを使う
集中しているとどうしても立つことを忘れてしまうものです。 Apple watchのアクティビティは、50分間座り続けていると立つように通知で知らせてくれます。 私は、この通知がきたら、立つようにしてます。 また、iPhoneのヘルスケアでは1日のスタンド時間が何時間だったのか教えてくれます。
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アメリカの・米ラー大学の休憩頻度とどんな気分になるかを調べた研究によると、「頻繁に休憩をとれば、休憩時間は短くても効果がある」「休憩の回数が少ないと、1回の休憩に長い時間をかけなければ回復効果が得られない」ことがわかりました。※参照:ブレイン メンタル強化大全 疲れる前に「短時間の休憩」をはさむのが、仕事の疲労感を感じずに長時間仕事をするコツです。 休憩といっても何時間もするわけではありません。たった5分程度でいいのです。 私はApple watchの通知を活用し休憩するようになってから、長時間のデスクワークでも疲れにくくなりました。 長時間PCの前にずっと座っていると、パソコンを見るのさえ嫌になります。 頑張り方を間違えると自分の最大のパフォーマンスをだすことはできません。 必ず疲れる前に休憩をとるようにしましょう。
結論:座りすぎると体に悪い!
私のようなリハビリ職でさえ、デスクワークの時間が増えてきました。 意識をしていないと、トイレと昼食以外立たないといったこともあり得る話です。 しかし、座り続けることによって1時間に22分も寿命が縮むならば本当に怖い話です。 そんなに生きなくてもいいと思われるかもしれませんが、健康を害した状態で生き続けることは辛いことだと思います。 私の働いている老人保健施設は8割は車椅子で生活していますが、1日の大半を座って過ごすため、体力の低下と認知症の進行が著しいです。 どうせ生きるならば健康で生き切りたいものです。 なるべく意識して、1時間に1回は立つ生活習慣を身に付けてみてください。 樺沢紫苑さんの『ブレイン メンタル強化大全』は他にも生活習慣を整えて、「脳のパフォーマンス」や「仕事のパフォーマンス」を高める方法が書いてあります。ぜひ読んでみてください。
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