恥ずかしながら、私がまともに読書をするようになったのは31歳のときからです。 医学部再受験に失敗し、彼女にも振られ、うつ病まで発症してしまい人生に絶望していたときに読書と出会いました。 「自分の何がいけなかったのか、人生が上手くいかないのはどうしてなのか」を30代だった私は本を読みながらひたすら考えました。 私が10年間本を読んできて何が一番良かったかと聞かれた場合、『一生懸命に生きられるようになった』と答えます。 人は元々持っている自分の価値観から何もインプットなしに抜け出すことができません。 読書をせずに、自分の価値観だけでぐるぐる考えているので同じ結論しか生まれないのです。 自分の価値観が哲学といえる領域まで考え抜いた上に「俺はこう生きる!」と決めたことならいいですが、大抵は他人の生き方を見て、こう生きてみたいと漠然と思った価値観ばかりでしょう。 他人の生き方に翻弄されては、考えをころころ変えていき、結局どう生きていいのか分からなくなっている人も多いと思います。 これからの時代は無理ゲー社会と言われるほど、生きることが難しい時代です。 なぜかというと、今の時代は昇給がほとんどなく、社会保障や税金だけが増えていくため、手取りは減る一方だからです。 少子高齢化で国の医療保険や介護保険の負担ばかり増し、働き手がいなければ、税収はどんどん減っていくでしょう。 年金も私が高齢者となる30年後にはいくら貰えるのか見当もつきません。 この先、生き残るにはどうしたらいいのでしょうか? どんどん変化する時代だからこそ、環境に適応する力が必要です。 今はテレビやネットで情報を得るための媒体が変わりましたが、今でも書籍は残っています。 紙の本が減ったとしても、電子書籍という形でネットに根付いています。 もし私たちがすべてのモノをなくしたとしても、今までの知識と経験は認知症などの記憶障害にならない限り最後までなくならないモノです。 逆を言えば、知識と経験こそが私たちの最後の生存戦略だと思います。 「読書」は、これからの時代生き抜くためには必須です。 大人の読書の効果を知った上で、読書という営みをはじめてほしいと思います。 ※この記事は、小飼 弾さんの『本を遊ぶ 働くほど負ける時代の読書術』を参考にしています。
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目次
大人の読書の効果は良いことだらけ!
ゼロから考えられる自分を作れる

コンサルタントの大前研一さんの言葉にこんなものがあります。
自分を変えるには3つしかやり方がない。1つは場所を変える。2つ目は時間の使い方を変える。そして誰と付き合うかを変える。
時間とムダの科学
確かに、今いる場所を変えれば、自分を変わらざるを得ません。
周りにエリート集団しかいなければ、否応なしに努力せざるを得なくなります。
人の能力の半分は遺伝で決まってしまいますが、他半分は外部の環境要因で決まります。
要するに、周りに優秀な人がいれば、自分の能力も上がりやすいということです。
詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。
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努力は才能に勝てない。科学的に証明されている。
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時間の使い方を変えれば、人は変わります。 今まで毎日1時間しか勉強しなかったのを2時間などにして、倍勉強すれば人によっては倍の成果がでるようになります。 優秀な人と付き合えば、考え方に感化され、「自分も負けられない」と奮起するでしょう。 本を読むという行為は、本の著者と会話すること、つまりは著者と付き合うということです。 実際に場所を変えるのは大変ですが、本を読めば、頭の中は違う場所に旅立っています。 読書の時間を確保するために、ゲームやSNSに費やす時間を減らしてみてはどうでしょうか? 今までと同じことをしていては何も変わりません。 テレビを消して、本を読むだけで相当な変化が起こるはずです。 本を読めば、常識を疑い、ゼロベースで物事を考えるようになります。 ゼロベースで考えるようになれば、柔軟性が生まれ、自分の中に選択肢ができるようになります。 そうすれば、よりよい人生の選択肢を自ずと選べるようになるのではないでしょうか。
自分に合った学習法が分かる

人が学習法を学ぶのはいつでしょうか? 学校や友達、拾ってきたネット記事など学習に行き詰ればやり方が悪いのだと効率を求め、成功した人のマネをしたくなるのが人間です。 同じやり方をしていれば、同じように良い成績がだせる、良い大学にいけると誰もが思うはずです。 学習法が確立されていれば、巷にこんなにたくさんの勉強法の本が販売されてはいません。 むしろたくさんの勉強法の本が売られている理由は、人それぞれ自分に合った学習法があるからなのです。 世の中で定められたやり方が自分にいちばん会ったやり方とは限りません。 学習ができない人ほど、自分専用の学習法で学習した方がいいのです。 本を読まなければ自分に合った学習法を探すこともできません。 色々な学習法を読み、自分に合えば採用し、自分に合わなければその都度変更していきましょう。 因みに私の学習法は、『飽きたらやめる』です。 無理に勉強しても記憶に残らないし、ストレスしか溜まりません。 これが自分の限界だと割り切って勉強しています。理学療法士の国家試験もこれで乗り切りました。
世界を多く持てる

生きていれば世界は限定されていきます。 自分の前の前にある学校や会社や家庭だけが、自分の世界だと思っていたら大間違いです。 人はいくつでも好きなだけ世界を持つことができます。 本を読むということはその世界を増やす行為です。 本のジャンルをみてください。 文学・評論、人文・思想、社会・政治・法律、ノンフィクション、歴史・地理、ビジネス・経済、投資・金融・会社経営、科学・テクノロジー、医学・薬学・看護学・歯科学、コンピュータ・IT、アート・建築・デザイン、趣味・実用、スポーツ・アウトドア、資格・検定・就職などなど、Amazonのジャンルを一部紹介させて頂きましたが、こんなにも世界があります。 自分の世界を自分で構築できる人は、人生を構築する力がつきます。これこそが「自分の頭で考える」ということです。 生きていれば視野狭窄に陥りやすいですが、1つの世界が開かれれば今までの悩みを別の視点からみれるはずです。 しかし、最初は実用的な知識の方がいいでしょう。自分の生活に知識が直結していないと、どうして学んでいるのか分からなくなるからです。 私は昔は教養だからとあらゆるジャンルの本を読んでいましたが、あまり興味がない上に、生活では全く必要でない知識だったので、まったくと言っていいほど記憶に残っていません。 「すぐ役に立つことは、すぐ役に立たなくなる」という慶應義塾大学の塾長であった小泉信三の言葉があります。 この言葉をそのまま真に受けて、「役に立たないこと」ばかり学んでいても本当に役に立ちません。 あなたは現状を変えたくて本を読むはずです。 読書を始めた頃は、あなたが興味のある実用的な知識から学んでいきましょう。
本を読めば、自分が読める

「本とは他人の考えを読むものだ」と思ってる人が大半でしょう。 でも実は本を読むことで何が読めるかといえば、自分自身です。 読書という行為は、自分が何をわかりたいと思っているかを知る過程の1つです。自分が何を知っていて、何を知らなかったのか。これから何を知りたいと思っているのか。 また、本を読んでいれば自分の好き嫌いが分かります。 自分が何に興味を持っていて、何に興味がないのかはっきり分かります。 どういった考えが好きで、どういった考えが嫌いなのか分かります。 それが読書で「自分を知る」ということです。 自分を知ろうと一所懸命考えても分かりはしません。 また、年齢を重ねた人が、自分の好きだった本を読み返すことで、自分の変化が分かります。 本の内容は変わっていませんが、自分は変わっているということがよくわかります。 共感したところで共感できなかったり、まったく共感しなかったところで共感できたりと年齢を重ねたからこそ分かることがあります。そういった本の読み方は、特に新しい発見がしやすいです。
マイナーな本を読むことで、人と違う発想が得られる

人と同じ情報を得ている限りは、人と同じ発想しかできません。
ベストセラーを読んだことある人と、ほとんど発行部数のない学術書を読み込んだ人とでは、どちらが希少性があるかといえば、後者でしょう。
どこか突出した部分が一箇所でもある人、尖っているところのある人は、人と違う発想をします。
だからこそ、価値があります。
本選びをするときは、「売れているからこの本がいい」というよりも「誰もこの本を読んでないけれど、自分だけは読んでみよう」の方が希少価値が上がります。
人生の転機すなわち人生を変えたいと思ってる人にとっては、本当にマイナーな本を読んだ方がいいです。
理由は下記の記事で説明しています。
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偏見を貯める

いきなりのタイトルに「え?」と思われた方も多いと思います。 「偏見は悪いものだ」という先入観があるから当然でしょう。 アインシュタインは常識を「18歳までに得た偏見」と定義したそうです。 とても的を得ているなと私は思いました。 ほとんどの偏見は、人生にとって有益なものです。 今まで知らなかった物事に出会った場合、いちいち検証していたら判断に時間がかかってしまいます。 しかし、偏見があれば、即座に理解することができます。例えば、出会ったら、挨拶をするという偏見は人間のコミュニケーションをとても楽にしてくれています。 礼や敬語などは人間関係を円滑するための決まり事みたいになっています。 礼や敬語を守っていれば、相手に不快にさせないで済みます。 本当に素晴らしい偏見(常識)だなと私は感心してしまいます。
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常識や偏見は、「いちいち考える」という人生で大切な「時間」を節約してくれているのです。 教養を積んでおくことは、自分にとって良質の偏見を得ることができます。 いい偏見を養うためには、最初のうちは先ほど説明した通り自分の興味のある実用的な知識を学び、その後枝葉を広げ、なるべくいろいろなものをつまみ食いしてみましょう。 自分に向いた偏見がどんなものかは自分にしかわかりません。
思考パターンを増やせる

本は、さまざまな論理の積み重ねから構成されています。 たくさんの本を読めば読むほど、バラエティに富んだ思考パターンが自然と頭に蓄積されます。 だから何か問題にぶつかったり、うまくいかないことがあっても、ひねり出せる代案をたくさん出すことができます。 解決策が1つしかなかったら、人はどうしても行き詰ります。 選択肢があった方がよいよい選択ができます。 例えば私の場合は、元2chの管理人のひろゆきさんの「ランニングコストを下げる」という考えを知って生きるのが楽になりました。 なぜかというと、ランニングコストを下げれば下げるほど支出が少なくなり少ないお金でも暮らせるようになるからです。 ランニングコストを上げれば上げるほど、人の欲求は尽きないモノで「もっともっと」を欲しくなります。 また、ランニングコストを下げることが難しくなります。 このように1つの考え方に出会うだけで、生きる上での不安がなくなり問題が解決されることが多くなります。 このことは下記の本に書いてあります。ぜひ参考にしてみてください。
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一部ですが簡潔に下の記事でまとめてあります。
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大きな発想ができるようになる

人間は自分の知識の範囲でしか発想ができません。 大きな発想ができるようになりたかったら、自分の知識を増やし思考を重ねるしかありません。 脳のリミッターを外して思考するためには、空想するしかありません。 空想とは、思考の源です。現実の世界と別の世界を頭の中に思い描くということは、創造力の原点です。 テスラのCEOであるイーロン・マスクは、幼少期に本を読んで育ったそうです。 「1日10時間はSFを読んでいた」というのには驚かされます。 彼の並みならぬ発想は、読書によって培われた空想によるものだと思います。
知性や品性が身につく

頭の回転の速さは頑張ってもそんなに変わらないですが、知性や品性は本を読んで学んでいけば身につきます。
なので、凡人が求めるべきことは「頭の回転の速さ」じゃなくて「知性や品性」と私は思っています。
飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る
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読む本にもよりますが、本を読んでいるとこの本の真似をしてみようと思うことがあります。
特に私にとっては禅関係の本を読んでいると、身を正さなければと思わされます。
心を正すにはまず姿勢を正し、呼吸を整え、1つ1つの所作いかに丁寧に行うかが大切なのかを教えてくれたのが枡野 俊明の著書である『禅が教えてくれる美しい人をつくる「所作」の基本』です。
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すべてを真似することはできませんが、普段の生活に禅を取り入れるだけで所作が丁寧になり、心が軽くなるのを感じることができます。
それが品性かどうかは分かりませんが、すぐれた人柄の人は所作も美しいと思っているので形から入ることは大切ではないでしょうか。
読書をしていても、身に付けた知識を悪用する人もいます。
私としては読む本に偏りがあると1つの思想に傾倒してしまうため、色々なジャンル、著者の本を1つ1つ丁寧に読むことが必要だと思っています。
最近では要約されたまとめサイトが流行っていますが、あれで本を読んだ気分でいると、著者が言いたい本当に大切なところが分からなくなってしまいます。
すべての本が著者が必死に書いたどうかは分かりませんが、少なくとも著者が必死に書いた本は真摯に向き合うのが大切です。
要点だけ読んで、読んだ気にならないように気を付けたいものです。
人生観が変わる

読書をして感銘を受ければ、思考が変わり行動が変わります。 行動が変わり、習慣となれば、自分の中で新しい世界が定着し、人生観が変わります。
多くの人にとって、人生が思うようにならないのは、自己の持つ習慣の支配から脱せられないことに、その原因がある。よくよく考えてみると、我々が自分自身と認識している自己は、実は自己の持つ習慣の総体を指していることに気付く。
秀れた人は秀れた習慣を持つ。ふざけた人はふざけた習慣を確かに持っている。当たり前といえば当たり前の話だが、ここをよく認識しなければ、我々は有意義な人生を切り拓くことができない。
生くる
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私たちが何で作られていると言えば、すべては『習慣』なのです。 習慣を変える力を持つ読書は、何よりも大きな力となるでしょう。 人生に失敗し現状をなんとかしたいと思えば、人生観を変えたいと思うのは当然です。 しかし、いきなり人が変わるわけではなく、読書という習慣を通して積み重ねていくしかありません。 本気で自分を変えたいと思っている人は下記の記事を参考にしてみてください。
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活力が生まれる

人が新しいことをしようとする初動は中々起こりません。 現状で満足していれば、尚更わざわざ疲れることをしたいと思わないのが人間です。 といっても、中には毎日が辛く何もする気が起きない。今の状況をなんとかしたいと思う人もいるでしょう。 そんなときに、適切な本を読めば、「これをすると効果がありそう」と思うことがでてきます。 私の場合は、人間関係でくよくよ悩んでいましたが、『筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法』を読んでから、「すべては筋トレで解決する!」と意味不明な活力が生まれてきました。
信じる者は救われる。落ち込んだ時は筋トレ。「筋トレしたって何も解決しねーよ!」と試そうともしない人間と「訳わからんけどとりあえず筋トレしてみるか!」と試してみる人間には大きな差が生まれる。筋トレに限らず、人智を超えた理屈では説明のつかない事はたくさんあるので考える前に何でも試すべき。
筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法
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実際に筋トレを続けることで、無気力だった私ですが、今は全能感で満たされています。 このように本は初動を促してくれる着火剤になります。
自分の性格に合った価値観に出会うと、人生が楽になる

人間の数だけ考え方が違います。当然価値観も変わってきます。
同じように本は人間が書いているわけですから、多種多様な価値観の本があり、人生の生き方についての正解はありません。
どれだけもっともらしいことを言っていても、どれだけ著者に感動しても自分の生き方に合っていないと自分を苦しめることになります。
自分にとって正しい本は、著者に共感できる本であり、生きる気力を与えてくれる本です。
他人がどれだけ良いと勧めてこようが、ベストセラーだろうが、Amazonでランキング1位だろうが、古典と言われる名作だろうが自分の波長に合っていなければ、あなたにとっては駄本でしかありません。
人生はどう生きるかはあなた次第ですが、自分の中に信念を持つためにはたくさんの本を読み、その中の1つでこう生きたいと心から思える価値観に出会うしかありません。
自分の波長に合う本に出合うのは大変ですが、本屋に実際に行って気になる本を片っ端から読んでみてください。

お気に入りの本に出合えた時は最高に幸せな気分になれる♪
大人の読書効果の悪い部分
気に入った著者が見つかると、思考が固定化しやすい


しかし、本を読むときに気を付けなければいけないことがあります。 同じ著者の本だけ読んでいると、本を読んでいるつもりが、いつの間にか「本に読まれている」状態になりかねません。 著者の価値観に共感できる本が良い本だと言いましたが、自己中心的な悪本に共感してしまえばあなたの人生も他人を見下すような人生になってしまいます。 というのも、私自身が自己中心的な著者に没頭しまったときがあり、彼のように生きたいと考え方が固執し、周りを見下すようになりました。 「自分さえ楽しければいい、人生は好きなことをして自分さえ良ければいいんだ」という自己中心的な価値観に共感してしまうと大変危険です。 私は周りと軋轢を生むようになり、結局本を読んだのに人生が上手くいかなかったことがあります。 読書の本選びで大切なことは『著者が人生をかけて本気で書いている本を選ぶこと』です。 良くも悪くもマーケティング次第で、本の売れ行きが左右される時代になりました。 ベストセラーが必ずしも良い本とは限らず、むしろ誰も読まない本の方が良書が多いです。 著者が金儲けのために本を書いているのか、人生をかけて本を書いているのかは大量に本を読んでいればすぐわかります。 読書を始めたばかりだと本選びに失敗することが多いですが、それも経験です。 たくさん失敗して良書と巡り合ってください。
「ビジネス書」を読みすぎると、本に読まれる


仕事をしている以上、1番に読みたいのはビジネス書でしょう。 一番自分の利益になっているかを確認することができ、目に見える形で効果があるからです。 私も気が付けば、ビジネス書ばかり読んでしまっています。 しかし、ビジネス書ばかり読んでいて一番怖いのが、何が自分の利益になるのかということを、自分は全部知ったつもりでいるということです。 読みなれたジャンルの本しか読まず、知らない世界をすべて利益を生まないと拒否する読書は、いっそしないほうがいいくらいです。 一度、小説を手に取ってみてください。 意外とビジネス書より線を引きたくなるところが多いことに気づきます。 私はいまだに金城一紀の『映画編』の一節を覚えています。 easy,come。easy,go。 「簡単に手に入るものは、簡単に失ってしまう」という意味です。 読書も同じです。簡単に手に入る知識は、人生を生きる上ですぐに役に立たない知識になってしまいます。 即効性のある知識ばかりを求めず、長い人生を生きるのに必要な知識を求めましょう。
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本に実利を求めると損をする


読書という行為に損得の概念を持ち込むと、かえって損をするそうです。 「自分にとって何が役にたっているのか」を判断することは難しいですが、すべての行為に「これは使える」「これは使えない」という縛りをかけるのは狭量でしょう。 先ほど実用的な知識を率先して読めと説明しましたが、実用的な知識だけに固執していると読む本がかなり限られてしまい、メリット・デメリットだけで読むようになってしまう弊害があります。 読書というものは読み方一つでも本当に難しいモノです。 坐禅をする場合は、まず日本人は最初にメリット・デメリットを考えるそうです。 道元禅師の坐禅は、「只管打坐(しかんたざ)」です。ただ、ひたすら座れと言っているだけです。 こういった考えに陥ると、「役に立ちそうだからこの人は助けよう、役に立たなそうだからこの人を助けるのはやめておこう」というように助ける人を選択するようになります。 また、悩み事を解決する場合、悩み事を解決するための本みたいなhowto本を読むと思います。 その方が手っ取り早く解決策が書いてあるから当たり前です。 しかし、そういった本に書いてあることはほとんど内容が一緒ではないでしょうか? 同じジャンルの本なので当たり前といえば当たり前なんです。 仕事の悩みがある場合は、恋愛小説を読んだ方が根本的に解決することがあります。 違うジャンルの本の方が、今までにない価値観を与えてくれます。 これは脳科学者の茂木健一郎さんが言っていることなのですが、「悩んでいる時にその悩みに関する本を読んでしまうと、脳と同じところしか使わないから解決できないんだ」そうです。 人間同じことばかりしてはいけません。 勉強に疲れたら、スポーツをしましょう。スポーツに疲れたら、読書をしましょう。
大人が効果的に読書をするためには?


効果的に本を読むために、ヒマな休日には、「行ったことのない近場の駅に行く」がおススメです。
何もなさそうな駅に降りて、公園や喫茶店に行きます。そこで本を読むとわりといいアイデアやヒラメキがあります。
新しい場所で何かをする効果は結構大きいので、試してみてください。
飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る
同じ場所で読書をしているとどうしても飽きがでてきます。
そんなときは思い切って場所を変えましょう。気分が変わるため、長い間読書をすることができるようになります。
読書に慣れるまでは部屋で30分、カフェで30分、お風呂で20分など小分けで読書すると時間ごとに集中して本を読むことができます。
電子書籍リーダーであるkindle paperwhiteは防水なので、お風呂でも本を読むことができるのでお勧めです。
また、読書をするときは音楽をかけずに静かに読むことをお勧めします。
読書に必要なのは集中です。音楽を聴きながらだと、どうしても脳のリソースの一部が音楽を聴くことに使われてしまうので集中することができなくなります。
何度か本を読んで集中することを続けていれば一度に何時間と読むことができるようになります。
といっても、「~しなければならない」と読むのではなく、自分にとって気楽に読める方法を模索するのが一番です。
本を読まなければいけないと思えば思うほど、読書が苦痛となり、遠ざかってしまいます。
本を読んでいて飽きたら読むのをやめる。また、読みたくなったら少し読んでみるというスタイルが一番長続きします。
大人の読書の効果は、ゆっくりとあらわれる


大人の読書の効果を紹介させて頂きましたが、私が読書をする理由は、単純に『面白い』からです。 自分の知らなかった知識が増えるだけで世界が広がっていきます。 世界が広くなるだけで人生が面白くなります。 最初に読書は生存戦略だと書きましたが、人生の岐路に立った時に最終的に判断し決めていくのはあなた自身です。 その時の判断材料は知識と経験になるでしょう。 より良い方向に人生を進めるためにはどうしても「本を読んで考えること」が必要なわけです。 本を読んで考えた上で決めた生き方ならば悩むことはあっても迷うことはありません。 読書をして、確固たる自分の哲学を持ちましょう。たとえ、自分の哲学で生きた結果が苦しいモノになったとしても、自分で決めたことなので胸を張って生きていけます。 しかし、読書の効果というのはすぐにはでません。なぜならば、読書をし咀嚼して考え何十年と生きた結果、初めて腑に落ちることがたくさんあるからです。 Howtoで身に付けた知識が自分にとって本当に役に立ったことがあったでしょうか? 何十年と考え抜いたことだからこそ、ぶれることなく自分の哲学で生きていくことができるのです。 読書をする上でのお勧めとしては、1つでもいいので座右の銘を暗記していきましょう。 自分にとって心の奥底に残った言葉こそ、自分の人生の糧になります。 国民全員に提供されるセーフティーネットであるはずの社会保障制度は、破綻とはいかないまでもあまり恩恵をうけることがなくなり、自己責任の比率は高くなっています。 公助も共助もあてにならない世の中では、自助の精神で生きていくしかありません。 読書の仕方について、もっと詳しく知りたい方は小飼 弾さんの『本を遊ぶ 働くほど負ける時代の読書術』を読んでみてください。
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