理学療法士の仕事の魅力は何だろう?本音で語ります

理学療法士の仕事の魅力は何だろう?本音で語ります
これから理学療法士になりたい学生さんにとっては理学療法士の魅力は何なのか知りたいと思います。

ネットで検索していれば『理学療法士はやめとけ』や『理学療法士は将来性がない』など、理学療法士になることを躊躇わせる記事に出合うこともしばしばです

私も『理学療法士はやめとけ』という記事を書いているので人のことは言えません。
私が「理学療法士はやめとけ」と思っている理由は、医療保険や介護保険下で働いているうちは給料が上がらないので、理学療法士になりたい理由がお金ならば理学療法士になることはやめたほうがいいと思っているからです。

理学療法士は医師に比べれば大学以外にも専門学校でもなることができ、入試レベルも低いので国家資格といえども比較的簡単になれる医療職です。
令和3年時点での理学療法士数は、合計192,327人となっていますが、厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会・理学療法士・作業療法士受給分科会」によると、理学療法士と作業療法士の供給数は、2040年には需要数の約1.5倍になるすなわち30万人になると推測されています。

世の中の理学療法士の供給が増えれば、当然その中で食っていくには自分しかないスキルを身に付けるしかありません。

それに気づいている人達は自費リハという形で、医療保険や介護保険外で働いていますが、これも狭き門であるため、大多数が目指すにはあまり現実的ではありません。

結局大多数は、医療保険や介護保険のリハビリに対する点数が下がると分かっていても、何もできず「仕事のわりに給料が安すぎる!」と文句を言いながら仕事をする羽目になると思います。

税金や社会保障費がどんどん上がり、給料も下がり傾向である理学療法士の手取りは、どんどん減っていく一方でしょう。

さらに物価高が追い打ちをかけ、理学療法士が使えるお金の価値が下がりつつあります。

外食の回数が減り、いつまでも古いスマホを使い続け、どこにも遊びに行くお金すらない状態になったときに理学療法士になったことを後悔しないかどうかは甚だ疑問です。

これからの理学療法士は本業以外で稼いでいかなければ食っていけなくなる時代です。

といっても本業と同じ仕事をしていてはいつかは体力的に無理がくるので、デスクワークでできる副業をお勧めします。
理学療法士は職業としてはやりがいもあり、大変すばらしい職業だと思います。

しかし、お金がなければ生活できないのでやりがいだけでなんとかなるものでもありません。

理学療法士という仕事の魅力を堪能しつつ、副業でお金の面もカバーできるようなライフスタイルの構築がこれからは大切になります。

理学療法士は国家資格であるため、職業としてはとても安定しています。

そういった意味でも本業と副業の両輪でやっていくのが理学療法士を長く続けていくコツだと思っています。
目次

理学療法士の仕事の魅力

直接感謝を得られやすい

高齢者の手を取る理学療法士と高齢者女性
世の中には色々な仕事がありますが、直接『ありがとう』と言ってもらえる仕事はそんなに多いわけではありません。

あなたが普段生活していて、お店の人に『ありがとう』という機会が何回あるでしょうか?

あなたが着ている服、食べ物、車、スマホ、化粧品、洗剤、食器、家具など色々なモノに囲まれて生活していますが、『作ってくれた人、ありがとう』という気持ちが沸くことはまずないと思います。

となるとこういった職種で働いている人達は永遠にお客さんから感謝の言葉なく、淡々と仕事をしています。

しかし、理学療法士のリハビリの仕事は、1対1で直接患者さんと長時間関わるので、感謝されやすい職業です。

仕事のやりがいは、自分が社会の役に立っているのか実感できて初めて生まれてきます。

誰かに必要とされるから自分の存在意義が実感できるのです。

自分の行動によって他者に良い影響を与えることがあなたに価値を与えてくれます。

人間社会の関わり合いの中で自己の言葉や行動によってまわりの人間に何らかの影響を及ぼして、初めて人間としての価値が生まれるのです。人間関係を通して相手に何が伝えられるかが人間の存在理由となるのです。

生命の理念Ⅱ
他者から必要とされやすいことは、理学療法士という仕事の大きな魅力の1つといえるでしょう。

自分の力で結果を得られやすい

患者さんのリハビリをする理学療法士
理学療法士の魅力の一つとして、勉強すればするほど技術が上がり、患者さんを治せるようになるところです。

ドクター以外の他の医療職は直接治療に関わることは少ないでしょう。

ドクターといえども、適切な薬や注射などで治療するだけなので直接手で触って治療するわけではありません。

理学療法士はドクター指示のもとリハビリをしますが、治療の一環である運動療法をメインに患者さんを治していきます。

といってもドクターの診断は評価の一部なので、理学療法士が患者さんを適切に評価しなければいけません。

適切に評価し仮説をたてたあとに、患者さんに運動してもらったり、直接体に触れて治療していきます。

つまりは、理学療法士が治療の大部分を占めていることになります。

さらに治療技術さえあれば、たとえ20分間のリハビリでもすぐに効果を出すことができます。

理学療法士は「自分の力で治した!」と思える素晴らしい職業といえます。

しっかりと理学療法を分かってリハビリをしている理学療法士と分かっていない理学療法士との差は歴然ですが、本物の理学療法士に出会えば私の言っている意味が分かるはずです。

自費診療のリハビリをしている先生に本物が多いので、機会があれば会ってみるといいと思います。

経歴が最悪でも人生をやり直せる

ソファに寝そべってスマホを触る男
実は私の経歴は本当に最悪です。

22歳で大学中退その後フリーター生活を10年間続け、医学部再受験をするも失敗、なんとか理学療法専攻の大学に受かり、就職したのが38歳です。

38歳まで正社員で一度も働いたことがない人材を正社員として雇ってくれるところがどれだけあるでしょうか。

製造業とかならばまだあるかもしれませんが、個人的には製造業の仕事は選びたい職業ではありません。

理学療法士に限らず医療系の資格は、黒歴史をリセットしてくれる魔法の資格だと思っています。

人生をやり直したいならば、医療系の資格を大いにお勧めします。

もちろん、金銭的な負担は大きいですが、専門学校に行くなどして学費を抑え、奨学金を借りれば、なんとかなるはずです。

この記事を読んでいる方は学生さんが多いと思うのであまり関係のない話かもしれませんが、医療系の資格を持つということは人生をやり直ししやすいとだけ覚えておいてください。

医療職は国家資格なので安定した職業

病院で働く医療従事者の男女
理学療法士だけでなく、医療職は資格のおかげで比較的楽に転職できるため生活に安定性をもたらしてくれます。

職場の人間関係や仕事内容、仕事量、職場の雰囲気、給料面、やりがいなど人が職場を転々とする理由は様々ですが、同じ職種の仕事をするため、経験を生かしやすく、どこにいっても仕事ができます。

理学療法士の給料面は今後も期待できず、共働きであっても贅沢はできませんが生活に困るようなことは少ないと思います。

他の職種と同じように病院や施設が倒産することはもちろんありますが、資格されあればすぐに転職できます。

つまりは公務員までとはいかないまでも、負けずとも劣らないほどの安定感があります。

なぜそこまで言い切れるかと言うと、私が黒歴史(10年間のフリーター生活&38歳での初就職)であるのにも関わらず、転職活動に成功しているからです。

40代の転職活動は普通にストレートの人生を歩んでいる人でも難しいですが、資格のおかげで私でも転職することができました。

たとえ50代で職を失ったとしても、探せば経験を買われて給料の条件がいいところに転職できると思われます。

職を失ってもすぐ転職できるところが理学療法士だけでなく医療職の強みだと言えます。

普段の生活でも頼られることが多くなる

スマホを使う高齢者女性
歳を取れば取るほど身体的な悩みが増えていきます。

体中のあちこちが痛い、肩がこる、O脚で足が開いているのが気になるなど悩みは絶えません。

理学療法士という職業柄、友人、家族、近所の人に「〇〇〇で悩んでいるんだけど、どうしたらいい?」と聞かれることがよくあります。

こうやって聞かれることを嫌がる人もいるかもしれませんが、私は頼られている感があって嬉しくなります。

といっても、知識がなくてまともに答えられないので勉強不足を痛感させられます。

人というものは誰かに必要とされて存在意義を確認できます。

逆を言えば、誰からも必要とされなければ、孤立し、そのせいで精神が不安になってしまうこともあります。

他人からやさしくされたかったら、ちゃんと勉強したほうがいいです。勉強してオンリーワンのスキルや知識を身につけると、周りがやさしくしてくれます。でも、そうした「武器」がないといつまでもひどい扱いを受けます。

飯は食えるときに食っておく 寝れるときは寝る
こういったことは逆を考えればよく分かるでしょう。自分が頼りになる人には感謝の気持ちがわき、好感度が上がるため、自然と優しくなるはずです。

他人からやさしくされたかったら、頑張って勉強をし、一流の理学療法士になりましょう。

勉強すればするほど結果がでやすい

パソコンで勉強をする理学療法士の女性
どれだけ勉強しても患者さんが必ずしも良くなるわけではありません。

理学療法適応外の患者さんもいるので、勉強することでそういった患者の見極めができるようになるだけです。

しかし、理学療法の勉強すればするほど患者さんが良くなる確率は上がります。

これだけは100%言い切れます。一年前の自分と比べて、勉強量も経験も違うわけですが、明らかに今の方が患者さんをよくできます。

知識のある先生というのはしっかり説明できるので尊敬を集めやすく、頼られることが多くなります。

ダラダラと10年間仕事をしてきて立ち止まって自分の成長を確認した時に何もない自分に満足できるでしょうか。

私ならば1段ずつ階段を昇るようであっても、10年間分昇った階段の位置から自分を見下ろしたいです。

専門職の強みは勉強したことが直で仕事に生きるところです。

理学療法の勉強はどれだけ勉強しても終わりはきませんが、勉強するだけの価値があることが大きな魅力の一つです。

人と接することで孤立せずにすむ

高齢者と一緒に運動をする理学療法士
理学療法士は同僚、患者さん、患者さんの家族と人とのふれあいが多い職業です。

人間関係が増えれば増えるほどストレスが溜まることは増えていきますが、それでも人と話すことで孤立感を感じなくて済みます。

私は老健で働いていますが、老健は長期で入所する人が多いため、一人一人の入所者と付き合いも長く、私にとっては家族のように感じています。

長期入所が多いといっても、入院されたり亡くなったりと退所される方もいらっしゃるので、新しい入所者との出会いももちろんあります。

私は次の転職先が見つかるまで無職になり、一か月間仕事をしていませんでしたが、仕事のおかげで孤立せずにすんでいたと気付くことができました。

人と多く触れ合う仕事というのはストレスが本当に溜まりますが、それ以上に繋がりによる安心感を得られます。

理学療法士は患者さんにしてあげていることが多いと思いがちですが、私たちも患者さんから色々なモノをもらっていることを忘れてはいけません。

自分もほどほどに体を動かせる

患者さんと歩行練習をする理学療法士
他の職種では、仕事の内容によっては1日パソコンの前で座り続けなければいけないデスクワークの仕事があります。

私の場合は1,2時間と連続でパソコンの前にいると疲れてしまい、パソコン作業をすればするほどイライラが募っていきます。

したがって、私にとってはリハビリの時間とデスクワークの時間が半分半分にある理学療法士という職で良かったと思っています。

私と同じように「椅子にじっと座っていられない、体を動かす方が好き!」という人は結構多いのではないでしょうか?

肉体労働には単純作業が多いですが、これはこれで1日体力仕事なので疲れてしまいます。

また、あくまで単純作業なので短調で飽きやすく、世間的にもあまりいい評価を得られません。

理学療法士は医療職であるため世間受けもよく、半分は肉体労働、半分は知的労働なのでちょうどいい安牌なのです。

肉体労働と知的労働を両方含んでいる理学療法士という仕事は、人によっては素晴らしい理学療法士の魅力の1つといえるでしょう。

仕事が楽な方である

国家資格を持つ理学療法士
理学療法士は他の医療職に比べ、夜勤がなく、介護の手間もなく、楽に仕事が出来ます。

定時で上がれるかどうかは職場に左右されるので、病院などではなく介護分野であればほぼ定時で帰れると思っても大丈夫です。

しかし、年間休日が少ないところが多く、年間休日が一般職並みの120日を超える職場は稀で数えるほどしかありません。

といっても、探せば見つかりますし、実際に私も年間休日が120日以上のところで働かせてもらっています。

また、リハビリ職はどちらかと言えば体力仕事に当たりますが、普段から運動をしていればリハビリが苦になることはありません。

今の世の中を考えると、長く働き続けなければ生きていけない時代になりつつあるので、リハビリ職は体力仕事だから大変だと言わずに、自分の体力を上げて、この時代の波を乗り切りましょう。

体力を上げていくことは、自分の健康寿命に繋がりますので、年老いてから病気になって後悔しないように今から体力づくりをしていくことをお勧めします。

話がかなりズレましたが、理学療法士は他の医療職に比べ楽に働けることが魅力の一つだと思います。

人を笑顔にできる

公園で話す高齢者と笑顔の理学療法士
お笑い芸人、タレント、歌手なども人を笑顔にできる素晴らしい仕事ですが、1v多数で一人一人に親身になることがあまりありませんし、そもそもそういった職業につくにはハードルが高すぎます。

理学療法士という職業は、一人の患者さんに最低20分関わる以上親身になって接することができます。

理学療法士としての技術はもちろん必要ですが、ただ話し相手になってくれる、リハビリに来てくれるだけでも大変喜んでくれます。

もちろん中にはリハビリ拒否の人もいますが、ほとんどの高齢者は相手にされないことが一番つらいようでお話しするといつも笑顔をみせられます。

人の笑顔を間近でみられる職業は中々ありません。

特に仕事にやりがいを求めている人にとっては理学療法士は人の笑顔がみられる素晴らしい職業だと思います。

老健での理学療法士の仕事の魅力

高齢者をお話をする理学療法士の女性
私は病院には実習でしか行ったことがなく、現在理学療法士になって5年目ですが、ずっと老健で働いています。

若い人たちからは介護の部門は人気がなく、就職先の希望はほぼ99%病院やクリニックです。

介護というのは急性期、回復期、維持期のうち、維持期すなわち生活期に入るので、リハビリ=回復というイメージが強いためか、維持期である介護分野は人気がありません。

専門書を読んでいても、どちらかといえば若い世代をターゲットにしているものが多く、80代90代の治療技術について書かれた本は本当に少ないです。

そんな介護分野である老健ですが、老健での仕事の魅力は、在宅復帰&家族の2つを上げたいと思います。

まず、在宅復帰ですが、老健でのリハビリというのは、残存能力の生かしつつ、生活環境を整えることによって在宅への復帰を目指すというものです。

ある程度ADLを向上させ、なんとか家に帰すことができる状態を作り出すわけですが、回復期のリハビリの時間よりは少ないものの回復期を同じようなリハビリを行うことができます。

回復期とは違いあまり機能回復を目指すことはありませんが、ADLを上げるという意味では同じようなリハビリができます。

ここでのADLを上げるというのは、健常者と同じようにADLをするのではなく、現在の機能でなんとかADLをできるようにするが正しいです。

次に家族ですが、家族と聞いて意味不明だったと思います。

老健の入所者の中には在宅復帰を目指す方もいらっしゃいますが、ほんの数人でほとんどの方は長期入所すなわち家に帰れない人たちばかりです。

これは家族のニーズが自宅に帰してほしいのではなく、介護ができないから預かってほしいにあるためある意味仕方ないとも言い切れます。

長期入所となれば、1年以上ずっと施設生活の人達が何人もいるので付き合いも長くなり、私にとっては家族同然の存在となります。

リハビリからはかなり遠ざかってしまいますが、私にとってリハビリとは理学療法という手段を使いつつQOLを上げることだと思っているので家族当然である利用者さんの笑顔を引き出すためにいろいろ工夫しながらリハビリしています。

詳しくは下記の記事で書いているので割愛しますが、老健での理学療法士の仕事の魅力は、繰り返しになりますが在宅復帰と家族であるといえます。

理学療法士の仕事の魅力は『必要されていること』につきる

リハビリ治療を受ける女性と理学療法士
人生に失敗し、38歳で初めての就職。空白期間が長すぎて何もなかった自分ですが、理学療法士になって自分が必要とされていると感じることができています。

誰もが自分は何のために生まれてきたのか、どう生きたいのか悩む時期があると思いますが、結果的に答えなんてでません。
自分の好きなことで生きたとしても、自分のために生きたとしてもどこかで空しさを感じてしまいます。

「自分が幸せにならなければ他人を幸せにできない」とよく言いますが、自分だけの幸せを追求しても、自分自身が幸せになれないという矛盾を抱えています。

『自分も他人も一緒に幸せになる』が個人的には一番しっくりきます。

理学療法士はとりあえず患者さんから必要とされます。

とりあえずと言ったのは、患者さんは理学療法士次第で人生を大きく左右されるにも関わらず、理学療法士という肩書さえあれば、実力がなくても患者さんを担当することになるからです。

といっても、肩書は理学療法士だとしても、スキルがなければ結果的に必要とされない理学療法士になってしまいます。

理学療法士の魅力は『必要とされること』と言いましたが、自己研鑽をしない理学療法士は必要とされない存在になってしまいます。

理学療法士が魅力的というよりは、魅力的な理学療法士になると言った方が正しいでしょう。

理学療法士になれば、医者になれば、弁護士になれば人から必要とされるわけではありません。

一流になってこそ、初めて必要としてもらえるのです。

医療保険や介護保険がないところで働いた場合、どれだけ患者が自分のところにきてくれるのか考えながら仕事していくことが大切だと思います。







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