【書評&感想】「断片的なものの社会学」 岸政彦

断片的なものの社会学
のんねこ

人の数だけ人生があり、それはすべて断片的なものである

「断片的なものの社会学」という本は、色々な人の人生の断片的なものを集めた本です。

なんだそれは?面白いの?と思われそうですが、結論だけいうと

めちゃくちゃ面白いです。

では、なぜ面白いのか?

登場人物が個性豊かな人生ではあるけれども、著者の岸政彦さんの文章が詩的で物語的で分析的で情緒的なんです。

なんだそれは?と思われそうですが、これは読んでみないと分からない感情です。

ただ、私はこの本を読み終わったとき、「この本に出会えて本当に良かった」と思えました。

なぜかというと、とてもやさしい気持ちになれたからです。

この殺伐とした人の友情も信用も愛情もあるようでない世の中。

こころがすさむことが多い毎日ですが、この本は私に優しさを教えてくれました。

ちなみに、この本との出会いはアイドルグループのNEWSのメンバーである、加藤シゲアキのお勧めする本の中にありました。

加藤シゲアキさんはアイドルだけでなく、作家しても有名です。
ぜひこの本の魅力を堪能してください。
目次

魅力その1 そこらにいる一般人のものがたり

本はだいたい成功者、本を書けるぐらいのスキルを持った方が書いています。

要するに、ある程度社会に必要とされている人達が出しています。

一般人の人生のストーリーなんて、誰も興味がないし、見向きもしない。

けれど、人の数だけ人生があり物語があります。

みんなそれぞれ辛いことがあり、苦しいことがあり、悩んでいる。

人生に疲れてしまっている。

けれど、岸さんのあたたかい文章で包んでくれています。
のんねこ

読んでいると、とっても優しい気持ちになれる。

魅力その2 岸政彦さんの文章が深い

この本は、岸政彦さんが一般人からインタビューしてきいた話に自分の話もまぜて書かれています。

この話が、やさしくて悲しくて切なくてあたたかい、そして深い。

こればかりは読んでみないと分からない感情です。

この話の中で岸さんの考えもでてきますが、インタビューした人の悩みについて岸さんの中に答えはみつかっていません。

みつかってないからこそ、読者も考える余地があるし、世の中そうゆうことばかりだよねということが分かる。

あとがきの一部を紹介します。

 いま、世界から、どんどん寛容さや多様性が失われています。私たちの社会も、ますます排他的に、狭量に、息苦しいものになっています。この社会は、失敗や、不幸や、ひとと違うことを許さない社会です。私たちは失敗することもできませんし、不幸でいることも許されません。いつも前向きに、自分ひとりの力で、誰にも頼らずに生きていくことを迫られています。

断片的なものの社会学
失敗すれば捨てられ、他人にどこまでも無関心で、みんな自分のことでいっぱいいっぱい。

こんな社会でひとりひとりの声に耳を傾けて、この社会の問題を考えていくことは、日本という国をもう少し住みすいところにできるのではないでしょうか。

こういったことを真剣に考えてくれている社会学者がいるというのは嬉しいことだと思います。
しょんぼりねこ

みんな自分のことばかりで誰も助けてくれない・・・

魅力その3 何度も読みたくなる

何か生きる上でよい情報が得られるわけでもない。自己啓発されるわけでもない。

実用的なものは何もなく。文章を全部暗記したところで生きる上では何のお金儲けにもならない。

けれど、自分と同じように悩んで、苦しんで、断片的なものではあるけれど、人生の一部をきくことで、自分だけじゃないんだと思える。

人生について考えるきっかけになる。

生きるとは何?どうやって生きていったらいい? 正解の生き方はなに?

答えはでないまま、ぐるぐるぐるぐる。

一緒に悩みましょう。岸さんと一緒に。

読みながら考えましょう。

何度も何度も読んで、考えましょう。
悩みねこ

悩みが解決されない・・・けれど、みんな一緒なんだな

まとめ

まとまりのない文章になってしましたが・・・「断片的なものの社会学」の良さを説明するのは難しいです。

なぜなら、この本を読むメリット・デメリットがなく、こんな人におすすめできるといったことがないからです。

本というものは本来は、読んで自分で考えないといけないものです。

答えが書いてあるhow to本読んでも、読んで自己満足して終わりになってしまいます。

この本を読んでも何も得することはありません。

けれど、人の人生の一部を覗き見ることによって、自分だけでなく、みんな苦しい中頑張ってるんだと思うと、人に優しくなれます。

SNSでは誹謗中傷が多いですが、人をけなすより、人を応援できる自分でありたいです。

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